第34回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

 

開始時間・会場をご確認の上,お間違いのないようご参加ください.

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開始時間:10:00(受付開始9:30)  

会場:今池ガスビル7階 B会議室

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日 時
平成26年2月1日(土)10:00〜16:15

 

 場
今池ガスビル 7 階 B会議室
名古屋市千種区今池 1 丁目 8-8
TEL 052-732-3211
 (※駐車場の利用ができませんので,公共交通機関をご利用ください)

 

 


地方会

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について
地方会認定単位:10単位
         (本地方会の筆頭演者は年度末自己申請により1演題10単位履修可) 

 

地方会当番幹事:森 憲司 
        〒502-0812 岐阜県岐阜市八代 1 丁目 7 番1
          岩砂病院・岩砂マタニティ リハビリテーション科    
                   TEL:058-231-2631/ FAX:058-294-1480
         E-mail:k-mori@yuuaikai.com

 

 

●一般演題 10:00-12:30(受付開始9:30)  

●総  会 13:40〜13:55

●専門医・認定臨床医生涯教育研修会 特別講演 14:00〜16:15  (受付開始13:00)

 

 

 

 


一般演題 10:00-12:30 受付開始9:30

 

 

座長:藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座 柴田斉子

1.健忘と失書を呈した左頭頂後頭葉皮質下出血
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学 II 講座
2藤田保健衛生大学七栗サナトリウムリハビリテーション部
1水野志保,1前島伸一郎,1園田 茂,1岡本さやか,1尾崎保則,1浅野直樹,1前田寛文,1松尾 宏,1角田哲也,2大塚希美子,2菅沼ゆうわ,2金森理恵子

 症例は48歳男性,右手利き,大学卒.言語障害で発症し,脳皮質下出血の診断で開頭血腫除去術を施行された.術後,明らかな麻痺はなく,失語症は改善したが,見当識障害,近時記憶障害,記銘力障害,書字障害を認めた.MRIでは左頭頂後頭葉から脳梁膨大部,帯状回に及ぶ血腫を認め,SPECTでは同部位中心に血流低下を認めた.本症例は脳梁膨大部後部病変によるretrosplenial amnesiaと頭頂葉病変による失書を合併したものと思われた症候,画像所見と高次脳機能の評価結果を経過を追って示す.

 

 

2.半側空間無視に対し頸部筋振動刺激を施行した1例
1名古屋市立大学脳神経外科・2整形外科・3リハビリテーション部
1,3青山公紀,3堀場充哉,2,3村上里奈,3和田郁雄

 症例は85歳男性,心原性塞栓にて右側頭頭頂葉に虚血巣を生じた.主要症候の一つに半側空間無視がみられたため頸部筋振動刺激を行ったところ,線分二等分試験0点→6点,星末梢課題12点→30点と改善がみられたが,Ota search taskでは空間認知の改善は見られたものの,対象物認知は改善しなかった.半側空間無視は近年3つのタイプに分類できるとの報告があるが,Ota search taskは各タイプの障害を把握することや,より適した治療法の選択に有用と考えられた.

 

 

 3日常生活に影響を及ぼした肢節運動失行の一例 
1国立長寿医療研究センターリハビリテーション科
2藤田保健衛生大学 医学部リハビリテーション医学U講座
1森 志乃, 1大沢愛子,2前島伸一郎,1尾崎健一,1近藤和泉
 
 肢節運動失行は,運動麻痺,失行,不随意運動などの運動障害,失語,失認,認知症では説明出来ない,運動行為の拙劣さを示す症状をいう.病巣としては中心溝周辺が重視されているが,運動麻痺や感覚障害により鑑別が難しく,肢節運動失行が日常生活に及ぼす影響を詳細に評価する機会は少ない.今回,79歳女性で左中大脳動脈領域の脳梗塞後に肢節運動失行を合併した症例を経験したので,近年の文献的考察を加えて報告する.


 

 

4高次脳機能障害を呈した橋出血患者のリハビリテーションの経験
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学II講座
2藤田保健衛生大学七栗サナトリウム歯科 
3藤田保健衛生大学七栗サナトリウムリハビリテーション部
1角田哲也,1前島伸一郎,1尾関保則,2藤井 航,1岡本さやか,1水野志保,
1前田寛文,1淺野直樹,1松尾 宏,3上野芳也,3渡邊 誠,3永井亜矢子,1園田 茂

 症例は55歳の男性,大工.右片麻痺と呂律障害にて発症.橋出血の診断で保存的加療後,リハ目的にて入院.初診時,重度右片麻痺と左上下肢失調,構音・嚥下障害に加え,記憶・注意障害などの高次脳機能障害を認めた.当院転院し,1か月後に高次脳機能の改善を認めた.5か月後,入浴・歩行・階段を除くADLは自立し,自宅退院となった.
本例は,脳幹病変でみられる高次脳機能障害が早期に改善し,ADL改善につながったと思われた.

 

 

5初回脳卒中後の嚥下機能回復についての検討
宇野病院リハビリテーション科
山田 薫,楠戸正子,藤野宏紀

 脳卒中後の嚥下機能回復において脳梗塞症例と脳出血症例,くも膜下出血症例とで有意な差が認められるか否かを調べる目的で,2007年から 2013年に施行した嚥下造影検査1589件のうち主病名が脳卒中である717件から,初回脳卒中とされていてかつ当院での回復期入院リハビリ テーションおよび複数回の嚥下造影検査を施行した症例を抽出し,発症年齢ごとに入院初回施行時の臨床的重症度とそ
の後の改善の程度を比較すること にした.
 

 

 

6慢性期脳卒中患者に対し,ロボットスーツHAL福祉用を用いた歩行訓練の効果判定
コミュニティーホスピタル甲賀病院リハビリテーション科 
甲賀啓介

一般的に脳卒中の回復は,発症より6か月を過ぎると目覚ましい回復は望めないとされている.一方,回復期患者においてロボットスーツHAL福祉用(HAL)を使用し,歩行速度,歩行率が向上したとの報告も散見される.今回,当院にHALが導入され,2週間という期間内において慢性期脳卒中患者に対してHALを使用し,歩行率及びバランス能力の向上が得られておりその有用性につき報告する.


 

座長 岐阜赤十字病院 榮枝裕文

7ポストポリオ患者の内反足に対して運動方向性を考慮したプラスチック製短下肢装具(SPS-AFO)が効果を認めた2症例
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1石原 健,1沢田光思郎,1溝越恵里子,1田中慎一郎,1平野 哲,2尾関 恩,
1柴田斉子, 1小野木啓子,1加賀谷 斉,1才藤栄一

 ポリオ患者は弛緩性麻痺に伴う足部内反変形が多く,変形進行や筋力低下により歩行時痛や不安定性が増強してくる症例が少なくない.下肢装具導入や変更には麻痺肢の負担を減らすための軽量化,靴や衣服の脱着に支障のない構造,装具装着時の不快感軽減が求められる.我々が開発した踵骨固定と運動方向性に留意したプラスチック製短下肢装具(SPS−AFO)がポストポリオ患者の内反足に有効な症例を経験したので報告する.
 

 

8高齢大腿切断者に義足作成し早期に自宅退院させることができた一例
浜松医科大学附属病院リハビリテーション科
安田千里,高橋七緒,片山直紀,永房鉄之,美津島 隆

 高齢大腿切断者の義足歩行獲得には,片脚立位保持が片手支持で可能,50%VO2max以上の運動強度が遂行できる体力がある,併存疾患の数が少ないことなどが重要といわれている.今回我々は右下腿放射線骨髄炎の79歳女性に,大腿切断術後,早期に大腿義足を作成し歩行訓練を行った.片松葉杖歩行,階段昇降,ADLも自立し,昔ながらの日本家屋で義足生活には不適であったが,術後7週で自宅退院した.若干の文献的考察を交え報告する.

 

 

9当院における新しい低侵襲脊椎固定術(XLIF)の検討-クリニカルパスを含めて-
公立南丹病院整形外科
成田 渉,小倉 卓,林田達郎,琴浦義浩,村上幸治,槇尾 智,藤原靖大

 【目的】新しい低侵襲脊椎固定術であるXLIF(eXtreme Lateral Interbody Fusion)を導入したので従来法である片側進入腰椎椎体間固定術(TLIF)と比較し検討した.【対象および方法】対象は当院で2013年11月よりXLIFを行った3例(X群),対照としてTLIF10例(T群)を用いて検討した.クリニカルパスはXLIF群に設定し,術後14日で退院とした.【結果】平均手術時間はX群が96分,T群が197分であり,術中出血量は74ml,331mlであった.術後平均在院日数はX群が12.6日,T群が32.1日であった.本研究でXLIFのクリニカルパスを14日と設定したことは妥当であり,手術時間・出血量からも低侵襲な術式であると考えた.

 

 

10高齢者の筋肉量(腓腹筋,ヒラメ筋)の評価(サルコペニア)
熊野市立五郷診療所  
高倉廣喜

 前回の本地方会にて,腓腹筋最大周囲径/膝関節周囲径(以下G/K),および承山周囲径/膝関節周囲径(以下S/K)がサルコペニアの評価に使用できることを報告した.今回,運動障害の有無を限定せず高齢者75名(当院受診者)のG/K,S/Kを検討した.運動障害に比例して,最初にS/K,次にG/Kが低値(筋萎縮)になる傾向がみられた.運動障害の伸展とともに,最初にヒラメ筋,次に腓腹筋が萎縮していく様子が推測された.

 

 

11愛知県下重症心身障害児施設の方向を探る
愛知県青い鳥医療福祉センター 
岡川敏郎 

 愛知県下の重症心身障害児施設ベッド数は現在390床で,人口比で全国1少ない(0.52/1万人).平成27年度には630床以上へと増床計画があるが,やはり在宅重症心身障害児(者)のほうが推計2,048人と圧倒的に多い.経験的に加齢が進むと医療的ケアの必要量は増える.入所対策から地域や家庭生活への医療を含めた支援にシフトすべきで,それには関係者のネットワークづくりが必要である.

 

 

12脳性麻痺児の経年的骨代謝の検討
信濃医療福祉センター 
朝貝芳美

 BAP,NTX/Cr,IGF-1の1年後変化を重症度,年齢別に検討した.対象はGMFCSレべルV17例,W54例,X119例,平均年齢9歳.正常児BAPは12歳頃まで増加するが,レベルXでは5歳前減少が29例中24例みられた.正常児NTX/Crは年長例で低下するが,レベルXでは17歳前後でも100以上増加が15例中7例みられた.正常児IGF-1は15歳頃まで増加するが,レベルXでは59例中20例で減少し,100以上減少も5例みられた.重症児は年少時骨形成低下,年長で骨吸収亢進が持続し,IGF-1増加が不良であった.

 


 

座長 市立恵那病院 細江雅彦

13肝移植術に対するリハビリテーションの経験 
名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション部 
門野泉,鈴木善朗

 当院にて2012年より2013年の間に行われた24例の肝移植に対し周術期リハビリテーションを行った.手術時平均年齢は49歳,原因は原発性胆汁性肝硬変,劇症肝炎,C型肝硬変等であった.3例が脳死肝移植,21例が生体肝移植であり,17例に対し術前より呼吸訓練などを開始した.立位訓練までに要した期間は平均18日,歩行訓練までに要した期間は平均21日であり,術後在院日数の平均は114日であった.全例で歩行が可能となり退院した.

 

 

14慢性腎不全合併片麻痺患者の血液透析導入による上肢機能の変化
刈谷豊田総合病院リハビリテーション科
岡本亜希子,小杉美智子,小口和代

 【目的】慢性期片麻痺患者の血液透析導入後の麻痺側上肢機能について検討した.【対象】45歳男性会社員.発症4年半の脳出血による右片麻痺.多発性嚢胞腎による腎不全で透析導入のため,麻痺側にシャント造設.透析導入15日前と11日後の上肢機能を三次元動作解析で評価した.【結果】導入前SIAS4-3-4-3-2 MAS肘関節伸展2 手関節背屈2,導入後SIAS4-3-4-4-2 MAS肘関節1+ 手関節1.痙縮は減弱し運動機能は改善していた.

 

 

15当院でのがん患者リハビリテーション実施の現況と問題点
1名古屋市立大学整形外科・2脳神経外科・3リハビリテーション部
1,3村上里奈.3和田郁雄,1水谷 潤,2,3青山公紀,1大塚隆信

 2010年4月のがん患者リハビリテーション(以下がんリハ)診療報酬新設に伴い,当院では2012年7月よりがんリハを開始した.研修を修了した理学療法士3名および言語聴覚士1名が,延べ74人(複数回実施5人)のリハビリを実施した.うち,5名は体調悪化によるリハビリ中止から1か月以内に死亡退院されたが,52名は自宅へ退院された.本研究の目的は,がんリハ導入開始後1年間の実施状況を分析し,問題点を検討することである.

 

 

161982年より30年間の名古屋市における視覚障害原因疾患の推移と対策
本郷眼科・神経内科・愛知視覚障害者援護促進協議会・名古屋大学
高柳泰世

 私共は中途視覚障害者の社会復帰・家庭復帰を援護することを目的に1981年に愛知視覚障害者援護促進協議会(以下愛視援)を設立し,1)視覚障害原因疾患,2)障害者対象の視覚代行リハビリテーション,3)晴眼者対象の視覚障害者援護講習会,4)拡大教科書製作,5)機関誌発行の活動を続け32年になる.当初原因疾患調査は個人情報非公開条例で大変であったが,名古屋市の理解と協力により3年前より,市当局から手帳取得の資料を送られるようになった.視覚障害原因疾患の推移と対策について報告する.

 

 

17Virtual Reality刺激を用いた動揺視に伴う身体動揺の検討
1国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科
2国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局伊東重度障害者センター
1原田竜彦,2北川恒実 

 抄録(規定より長めになっておりますがご了解をお願いいたします)
平衡障害でしばしば見られる動揺視(頭部運動時の視界の揺れ)が身体動揺にいかに影響するかを検討するため,Virtual realityの手法を用いて健常者での検討を行った.21歳から48歳の男性5名女性1名に対し,頭部を随意的に動かした際にヘッドマウントディスプレイから正常視界・視界固定・2倍の動き・逆方向への動きとなるよう映像を提示し,その際の頭部と腰部および重心位置を30秒間計測した.結果検討は,重心位置の努力性調節を反映するCOM-COPの周波数解析により行ったが,
roll方向の頭部運動に際し,バランス調節努力を示唆するCOM-COPの周波数が高周波数へのシフトが正常視界では2例のみ認めたのに対し,2倍と逆方向では全例でシフトが認められた.結果より動揺調節の機序について考察する.

 

 

18頸椎骨棘により咽頭の食塊通過側が著しく制限された1例
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1溝越恵里子,1柴田斉子,1加賀谷 斉,1石原 健,1小野木啓子,2尾関 恩,1八谷カナン,1山岸宏江,1田中慎一郎,1青柳陽一郎,1才藤栄一

 73歳男性.頭部外傷の2か月後に発熱とともに急激な摂食・嚥下障害を発症した.発症1か月後の嚥下造影検査所見は喉頭挙上の低下および多量の咽頭残留を認め,食道入口部の通過は右優位であった.脳幹部の病巣を疑ったが,明らかな脳神経学的所見を認めず,頭部CTでも異常を認めなかった.喉頭挙上が改善した後も食道入口部の通過は右側のみであった.食塊通過の制限要因として頸椎の骨棘が考えられ,3D-CT画像とともに供覧する.

 


 

 

総会
13:40〜13:55
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい

 

 

専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00〜16:15 受付開始13:00

 

「脳卒中による記憶障害の評価とリハビリテーション
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学II講座 教授 前島伸一郎先生
司会:岐阜大学医学部附属病院 青木隆明

 

「リハビリテーション栄養とサルコペニア」
  横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科 助教 若林秀隆先生
司会:岩砂病院・岩砂マタニティ 森 憲司

 

 

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について
研修会認定単位:1講演毎に10単位
受講料    :1講演(10単位)毎に1,000円.
        認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.

◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.                                     
平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育
研修会も1講演あたり10単位が認められます.