第49回日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会学術集会
ならびに専門医・認定臨床医生涯教育研修会
日 時
2021年8月28日(土)
会 場
オンライン開催
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
事務局:藤田医科大学医学部リハビリテーション医学I講座内
学術集会
一般演題 10:00 - 11:30
座長 藤田医科大学 向野雅彦
1.特発性間質性肺炎患者における6分間歩行試験中のSpO2の変化と肺機能の関連性について
浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科
磯部貴之,有賀隆裕,有本直人,高橋麻美,安田千里,永房鉄之,山内克哉
特発性間質性肺炎(IIPs)は,原因不明な間質性肺炎の総称であり,運動誘発性低酸素血症を特徴とする.近年,6分間歩行試験(6MWT)で測定したSpO2と予後との関連が報告されている.今回,2019年11月から2021年6月までの間に当院リハビリテーション科にて6MWTを実施したIIPs症例99例について,重症度別に6MWT中の1分間毎のLowest SpO2の継時的変化について調査し,その特徴を探った.発表では検討結果について文献的考察を合わせて報告する.
2.新型コロナウイルス感染症患者80名に対するリハビリテーション治療帰結
藤田医科大学医学部リハビリテーション医学I講座
和田義敬,柴田斉子,千手佑樹,前田寛文,松原正典,細川 浩,向野雅彦,大高洋平
当院ではCOVID-19患者に対して,人工呼吸管理中から,抜管,離床,運動耐用能向上まで7phaseに分けたリハビリテーションプロトコールを作成し運用している.2020年9月1日から2021年7月5日の間に当院ICUおよびCOVID-19専用病棟でリハビリテーション治療を開始し,退院した80名(男性 51名,女性 29名, 平均年齢69.2±14.6歳)について,重症度別に転帰,在院日数,各phaseに要した期間等を報告する.
3.C2/3高位頚髄損傷による人工呼吸器装着患者に対して急性期から嚥下訓練を行った1例
1名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科
2名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション部
3名古屋大学医学部保健学科理学療法学
4愛知県医療療育総合センターリハビリテーション診療部
1山口英敏,2小山恭平,1岡田貴士,1菱田愛加,1金野鈴奈,1中村匡孝,4門野 泉,
3杉浦英志 1西田佳弘
72歳男性,急性感染性電撃性紫斑病治療中に四肢麻痺,抜管困難あり,頚椎高度変形に伴うC2/3高位の頚髄損傷と診断された.呼吸筋麻痺のため人工呼吸器離脱が困難であり気管切開が施行されたが,患者の経口摂取希望もあり比較的早期から人工呼吸管理下に嚥下訓練を行った.入院経過中に食事摂取可能となり,人工呼吸管理下でも早期から嚥下訓練を開始することで嚥下関連筋群の廃用を予防し,経口摂取に至ったと考えられた.
4.とろみの有無による食塊の動態についての後方視的検討
1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科
1名倉宏高, 1加賀谷斉,1柴田斉子,2小野木啓子,2尾関 恩,1大高洋平
2017年4月〜2021年5月に当院で施行された嚥下造影検査において座位で食塊としてとろみ4mlと液体4mlを同一の検査で施行した568例を対象とし,とろみの有無による違いを検討した.とろみ付加によりa penetration-aspiration scaleが改善し,嚥下反射開始時の食塊先端位置は浅くなり,鼻咽腔閉鎖時間が長くなり,喉頭閉鎖時間が長くなった.嚥下反射開始から食道入口部開大開始までの時間も遅くなった.
座長 藤田医科大学 尾関 恩
5.回復期脳卒中患者におけるfMRI評価の有用性が示唆された一例
鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院リハビリテーション科
森泉秀太郎,石田ゆず,片井 聡
52歳男性.X年7月29日,右片麻痺で発症し前医に救急搬送.頭部MRIで左放線冠に新規脳梗塞が認められ,加療開始された.9月4日,回復期リハビリテーション治療目的で当院転院.転院時,右片麻痺(Brunnstrom stage 上肢V-手指V-下肢X)が認められ,PT・OTによるリハビリテーション治療を継続した.その後,徐々に右上肢機能の改善が認められ,並行してfMRIを行ったところ,脳血流においても経時的に改善が認められた.以上より回復期脳卒中患者においてもfMRI評価の有用性が示唆された.
6.脳卒中リハビリテーション入退院時FIM運動項目と阻害因子との関係
1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学II講座
2藤田医科大学七栗記念病院リハビリテーション部
3藤田医科大学医学部連携リハビリテーション医学講座
1渡邉克章,1園田 茂,2渡邉 誠,2奥山夕子,3岡負p人,1岡本さやか,1水野志保
七栗記念病院回復期リハビリテーション病棟を入退院した患者のうち,両片麻痺例,麻痺のない例,再発例,入院中急変があった例,退院時FIMが入院時よりも低かった症例を除外した2,636例を対象とした.入退院時FIM運動項目の散布図を描き,阻害因子となりうるSIASの項目得点の組合せでその分布・中央値がどのように変わるかを検討したので報告する.
7.脳卒中患者の回復期リハビリテーション病棟在院日数とFIM運動項目利得
1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学II講座
2藤田医科大学七栗記念病院リハビリテーション部
3藤田医科大学医学部連携リハビリテーション医学講座
1福島立盛,1園田 茂,2渡邉 誠,2奥山夕子,3岡負p人,1岡本さやか,1水野志保
1渡邉克章,1竹中 楽,1赤塚 功,1西脇大雅,1杉山由夏
2004年9月から2020年3月までに当院回復期リハビリテーション 病棟を入退院した脳卒中患者6,550例のうち,両片麻痺例,麻痺がない例,再発例,退院時FIMが入院時FIMよりも低かった例などを除外した3,112例を対象とした.患者を入院時FIM運動項目合計点により7群に分け,それぞれの在院日数中央値とFIM運動項目利得中央値の散布図を描き,入院時のSIAS深部位置覚得点によりそれらの分布がどう変化するかを検討したので報告する.
8.スライド式バランス練習アシストにおける下肢関節運動の特徴
藤田医科大学医学部リハビリテーション医学T講座
角田哲也,平野 哲,大高洋平
我々は,4つの車輪がついた台車の上で立位姿勢をとり重心移動を行うことで,ロボットが前後左右にスライドするスライド式バランス練習アシスト(sliding-type Balance Exercise Assist Robot;以下sBEAR)を,トヨタ自動車株式会社と共同で開発した.sBEARには,それぞれ専用の3種類のゲーム(前後運動,左右運動,外乱対処)がある.健常男性3名にてsBEARを実施し,各ゲームにおける下肢関節運動の特徴を,慣性センサ式の三次元動作解析装置Xsens MVN Awindaを用いて検討した.文献的考察を加え報告する.
9.先天性左前腕欠損の大学生に対し義手の導入を検討した一例
1中部ろうさい病院リハビリテーション科
2産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座
1,2尾普@文,1渡邊友恵,1田中宏太佳,2佐伯 覚
日常生活動作が自立した先天性上肢欠損患者に初回の義手を青年期に導入し有効な使用に至った報告は少ない.今回大学生に対し,義手の導入を検討したので報告する.
症例は19歳女性. 義手を作製して両手にネイルしたい, 夏服を着たいという希望があり,当科を受診した. 筋電義手訓練も希望し,装飾用義手と評価用筋電義手で適応を評価した.装飾用義手の満足度が高かった一方で,貸し出した筋電義手は重量や疲労感から日常使用に至らず今回は導入を見送った.ライフスタイルに応じて義手の導入を検討することが必要である.
総会
12 :40 - 12:50
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席ください.
専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演13:00 - 15:00
講演1
サルコペニアと嚥下障害
岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 國枝顕二郎
司会:藤田医科大学 加賀谷斉
講演2
COVID-19に対するリハビリテーションの特徴と工夫
東京医科歯科大学医学部附属病院リハビリテーション部 酒井朋子
司会:藤田医科大学 柴田斉子
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について
地方会学術集会:学会参加は専門医1単位,認定臨床医10単位
発表筆頭演者は専門医1単位,認定臨床医10単位
参加費:1,000円
生涯教育研修会:1講演毎に専門医1単位,認定臨床医10単位
受講料:1講演毎に1,000円
認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円
◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.
平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり10単位が認められます.
当番幹事:柴田斉子 〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪T-98
藤田医科大学医学部リハビリテーション医学T講座