2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第4学年
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病態病理実習- 28 -[授業内容と基本的な進め方のガイドライン] 全身および臓器の代表的疾患についてインタラクティブな手法を用いて、病態の想起、考察、観察、検証を行い、総合的に疾病の成立を理解し、洞察力を身につける。症例によって適宜進め方を工夫して行い、具体的な進め方、掘り下げ方、提示の手法は担当教員が主体となって決める。以下のガイドラインを参考にして行う。1)臨床徴候、検査所見の概略を提示する。放射線・エコーなどの画像を含め資料のプレゼンテーション。予め簡単な資料を配付しておいてもよい。2)手術・剖検材料の肉眼観察(画像提示)からどのような病態が生じたかを推測する。そこで考えられる病変、病名を列挙する。呈示された臓器名、組織名を学生間で討論し、確認する。この時点で全く異なる方向に行かないようあるいは討論や考察を喚起する程度担当教員がインストラクトする。強要はしない。3)病変組織を正常組織と比較する。顕微鏡を用いたスライド観察を主とする。顕微鏡投影装置も必要に応じて使用する。4)観察した所見をスケッチし、病的変化を医学用語(日本語、英語)で記載する。スケッチブックあるいはノートを用いる。5)この時点で疑問点、着眼すべき所を挙げる。質疑応答する。配布冊子ノートに記載するか、配布資料にその時点での考えを記する。6)概略をまとめる。総合診断にいたる考え方の過程を含め整理する。担当教員のチェックを受ける。 症例を中心に以下の代表的疾患の徴候や身体・検査所見を病態生理の観点からひもとく考え方を身につける。症例の選択によっては重複して解説する場合もありうる。特に、死因となる様な重篤な病態は異なる経路から到達することもあり得ることを理解し、総合的判断能力を高めるのに役立てる。
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