2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第2学年
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臨床遺伝学- 160 -臨床遺伝学[教育目標] 最近の医科学の進歩から、疾病は単純な病原物質に規定されているのではなく、環境(外来性因子や食生活など)と遺伝的素因の両者があいまって発症するという大きな概念の変換(パラダイムシフト)があった。本科目では、生物学を選択しなかった学生も含め、遺伝の概念と用語を知り、例をあげて遺伝性疾患の基礎を修得することを目的とする。 これまで、中学・高校のいずれかの時期にあるいは一般教養として、「遺伝とは何か」や「遺伝の物質的基礎」とそれらを発見した偉人について触れる機会があったと思います。しかしながら、遺伝学の用語や定義を自分で解説しようとすると困難を感じるかもしれません。本科目では、医学の基礎を学びつつある段階で、遺伝とはなにか、遺伝子とは何か、ゲノムとは何か、遺伝情報とは何かについての基礎知識をしっかりと学習し、バラバラな知識断片を統合する。遺伝性疾患の基礎を学習する。遺伝と生活習慣が絡み合った多因子疾患についても例をあげて初期的な理解を促す。 ヒトゲノム解読後に勃興する新しい診断法、治療法、個人情報の取り扱い方など、新しい時代の医科学の一端に触れ、21世紀の医療人としての基本姿勢を感じ取り、さらにモチベーションをあげるきっかけとする。[学習目標] 遺伝や遺伝性疾患について正しく理解し、遺伝にまつわる偏見や誤解をとき、自分自身や周りの人も含めて啓蒙することができる。医療現場での適切な判断や方向性を導き出す知識と見識、手法と態度を獲得する基礎を築くことを目標とする。1)遺伝について理解する。2)遺伝のメカニズムについて理解する。3)ゲノム・染色体・遺伝子の違い(階層性)を理解する。4)生殖細胞と体細胞の違いを理解する。5)半数体(ハプロイド)、対立遺伝子(アリル)の概念を理解する。6)家系図を読みとる。7)優性・劣性遺伝、常染色体性・性染色体性遺伝を例示する。8)染色体異常による疾病を列挙する。9)生殖細胞変異(遺伝性疾患)と体細胞変異(癌)の違いを理解する。10)単一遺伝子性疾患の例をあげ説明する。12)環境と遺伝の相互作用、エピゲノムについて理解する。13)多因子性疾患の概念の例をあげ説明する。14)遺伝性疾患の診断法について説明する。15)遺伝性疾患の倫理的側面を理解し説明する。16)遺伝カウンセリングの実際を理解する。
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