2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第1学年
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読書ゼミナール- 85 -5)大 熊 真 人(生理学Ⅱ)前半9コマ「つばさよつばさ」浅田次郎著 小学館文庫 “「この数年間の平均をとれば、海外が一年に六回から七回で延べ日数が六十日間、国内が約三十回で、やはり六十日間程度である。かくて私は一年の三分一を、羈旅の空に過ごしていることになる」当代随一のベストセラー作家は厳しい締めきりの間隙を縫って砂漠の極上ホテルへ、緑したたる亜細亜の街へ、非日常の体験を追い求めて旅の空に……。(中略) 「旅」を綴った珠玉のエッセイ四十編。JAL機内誌『SKYWARD』の人気連載待望の文庫化。(カバー解説より) 日本航空の機内情報誌に連載されている、小説家 浅田次郎さんによるエッセイです。江戸ッ子親父の考察を題材に、ちょっとだけ深く考える練習をしましょう。” 守 口 匡 子(ウイルス・寄生虫学)後半9コマ「ヒトの心はどう進化したのか:狩猟採集生活が生んだもの」鈴木光太郎著ちくま新書 “本書の内容紹介を、「BOOK」データベースより拝借して以下に記します。 -------チンパンジーと共通の祖先から分かれておよそ六〇〇万年。この六〇〇万年という時間をかけて、私たちヒトは進化を遂げた。進化したのは身体的な特徴に限ったことではない。ヒトの「心」の特性や能力も、環境に適応するなかで、とりわけ狩猟採集生活を送るなかで進化した。それは、普段、なにげなく行なっている行為や行動のなかに見てとることができる。なにが私たちヒトをヒトたらしめているのか、なにが私たちの特徴なのか、これらの問題に「心」の進化の視点から迫る。------- 「狩猟採集生活で得た、普段何気なく行っている行為や行動を規定している心の進化って何?」って思った方は、是非、ご参加ください。”6)鏡 裕 行(数学)前半9コマ「新しい自然学-非線形科学の可能性-」蔵本由紀著 岩波書店 “医学は自然科学であるが、その自然科学の基礎となる理学の中でも、最も普遍的な基本法則を探究する学問が物理学である。20世紀に大きな進展を遂げた科学を物理学はリードしてきたが、普段の我々の認識の及ばない遠い「天体の運動や極微の世界については、実に見事に予言する現代の科学だが」、強風にあおられた風船の運動のような「ごく身近な世界についての素朴な問いの大半にはまるで答えられない」という無力さも併せ持っている。著者の蔵本は、このような「不均一な物理学」の原因を、純粋物理学が長い間「要素還元主義」的な考え方に支配されていたことにある
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