2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第1学年
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読書ゼミナール- 84 -4)吉 田 友 昭(生物学)前半9コマ「小泉八雲集」小泉八雲著、上田和夫訳 新潮文庫 “ギリシャ系のイギリス人、ラフカディオ・ハーンは、明治中期に来日して帰化し、日本に関係した多くの著作を残した人です。中でも民間に伝わる伝承を作品化した、「怪談」などは有名で、「雪女」、「耳なし芳一のはなし」などは知っている人も多いかと思います。日本語自体は訳者によるものですが、短編でとっつきやすいわりには格調高い表現が多くて、大学生が取り組んでおかしくない作品集です。また、この文庫には「日本人の微笑」をはじめとする評論や挿話がいくつか含まれていて、江戸、明治、大正期の日本人のメンタリティー――もちろんそれは現在につながるもののわけですが――を考察するのに大変優れた材料を与えてくれます。これらの評論を軸にして、意見交換をしながら進めていく予定です。前半と同様、「聴く」機会も作りたいので、「怪談」の中の作品の朗読音源なども活用しながら、日本語リテラシーを育んで行ければと思います。” 大 熊 真 人(生理学Ⅱ)後半9コマ「つばさよつばさ」浅田次郎著 小学館文庫 “「この数年間の平均をとれば、海外が一年に六回から七回で延べ日数が六十日間、国内が約三十回で、やはり六十日間程度である。かくて私は一年の三分一を、羈旅の空に過ごしていることになる」当代随一のベストセラー作家は厳しい締めきりの間隙を縫って砂漠の極上ホテルへ、緑したたる亜細亜の街へ、非日常の体験を追い求めて旅の空に……。(中略) 「旅」を綴った珠玉のエッセイ四十編。JAL機内誌『SKYWARD』の人気連載待望の文庫化。(カバー解説より) 日本航空の機内情報誌に連載されている、小説家 浅田次郎さんによるエッセイです。江戸ッ子親父の考察を題材に、ちょっとだけ深く考える練習をしましょう。”
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