2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第1学年
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化  学- 162 -化   学[教育目標] 化学は物質の構造、性質および反応性を知るための学問である。生体を構成する成分は20余種の元素からなっており、主な元素は炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リンなどである。生体は約60%が水分、約4%が無機質、そして残りが有機化合物、すなわちアミノ酸、タンパク質、糖質、脂質、核酸などからなっている。また、生体中の無機質や有機化合物は水の存在下で種々の生理的機能を発揮している。したがって、生体中の無機質や有機化合物の化学的な性質・反応性に関する知識をもつことは、生体の生理的機能を解明する学問である生化学や生理学、薬物の作用を解明する学問である薬理学、生体を取り巻いている環境と生体との関わりを解明する学問である公衆衛生学、病態を解明する学問である病理学、病態を生体内化学物質の検査値で推察する臨床検査学などを理解する上で必要である。 以上のような観点から、講義では生命と化学の接点(1回)、原子の構造と性質(1回)、化学結合(4回)、溶液の化学(1回)、酸・塩基と酸化・還元(2回)、反応速度と自由エネルギー(2回)、有機化合物の構造と種類(6回)、有機化学反応(3回)、生体構成物質の化学(8回)、活性酵素と生体内で生じるガス分子の化学(2回)について学ぶ。また、化学実習(6回)では分子模型や生体成分を使った実験を行って、生体成分の構造、性質および反応性を理解する。[学習目標(到達目標)]・原子の構造と性質を説明できる。・化学結合を説明できる。・水と溶液の性質を説明できる。・反応速度論を説明できる。・有機化合物の命名法を説明できる。・基本的な有機化合物の構造と化学的性質を説明できる。・基本的な有機化学反応を説明できる。・主な生体構成成分の構造と化学的性質を説明できる。・主な生体構成成分の生体内での化学反応を説明できる。・主な生体構成成分の構造と化学的性質から生体の機能・働きを説明できる。・生体内における活性酸素、一酸化窒素、硫化水素および一酸化炭素の生成系とそれらの生体に対する作用を説明できる。[ 評 価 ]   講義内容に基づく中間試験(筆記)(2回、6月と前期試験期間に実施)、実習小テスト(多肢選択)(各実習で実施)と、実習内容と実習に関連した講義内容に基づく定期試験(筆記)(後期試験期間に実施)によって総合的に行う。ただし、定期試験が不合格である場合は総合評価においても不合格となる。

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