グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP  > 講座情報(研究室情報)  > 公衆衛生学

公衆衛生学

Department of Public Health


E-maildeppub@fujita-hu.ac.jp講座ホームページ
(「お知らせ」等を
  掲載しています)
http://fhu-ph.umin.jp/

研究室スタッフ

教授八谷 寛
准教授太田 充彦
講師内藤 久雄柿崎 真沙子
助教李 媛英

沿革

公衆衛生学教室は1972(昭和47)年4月に開設され、島正吾先生が初代教授として着任されました。島先生は産業保健をご専門とされました。じん肺の病態の解明と健康管理体制の確立、ベリリウム中毒に関する基礎的・臨床的研究、職業性アレルギー疾患(トルエンジイソシアネートTDIやエポキシ樹脂による喘息)の疫学研究で挙げられた成果は、現在でも重要な産業保健の知見です。島先生は後に(1997(平成9)年4月)本学学長に就任されました。1997年10月には第2代小野雄一郎先生が教授に就任され、引き続き産業保健分野の研究が進みました。腰痛や頸肩腕障害など職場の作業により生じる作業関連運動器障害を主要な研究分野とされ、その成果は日本産業衛生学会頸肩腕障害研究会の「頸肩腕障害の定義2007」「頸肩腕障害の診断基準2007」「頸肩腕障害(非特異的障害)の病像2007」や厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針(2013(平成25)年改訂)」に反映されました。また、現在では産業保健の主要な研究テーマとなっている仕事と関連する心理社会的ストレスや不規則・長時間勤務に伴う産業疲労に関する研究にも早くから取り組まれました。小野先生は医学部長を経て2011(平成23)年4月に藤田学園理事長にご就任されました。2012(平成24)年7月、八谷寛が第3代教授に就任しました。八谷は国内外の(愛知県内の職域を含む)いくつかのコホート研究に参画し、疫学研究を通じて生活習慣病・心血管疾患の予防方法を明らかにすることを目指しています。

概要

公衆衛生学とは、病気の予防や社会全体の健康水準の向上に着目した研究と活動です。その研究課題は社会と時代の要請にしたがい変化しますが、集団全体の健康状況に注目し、法律や制度、環境整備などの方法によって対策をおこなうという考えは不変です。現在、以下のような課題に、当教室では取り組んでいます。これらの研究課題にともに取り組む研究意欲のある大学院生を募集しています。

また、本学の教育目標である「リサーチマインド豊かな良き医療者の育成」を実現するための衛生学・公衆衛生学教育を、衛生学教室と協力して実践しています。公衆衛生学では、医師として患者さんやそのご家族の生活を支援していく上で重要な社会的制度や考え方を体系的に扱います。病気に関する知識だけではなく、病気や苦しみを持つ人の生活する家庭や社会に目を向け、それらの社会的な側面を十分に理解できる医師の育成に努めたいと考えています。

生活習慣病・心血管疾患発症予防に関する疫学研究

生活習慣病・心血管疾患発症予防に関する疫学研究
勤労者を対象としたコホート研究に参画し、予防活動を実践しています。
また、いくつかの国内、国際共同研究に関わっています。
代表的な研究は、愛知県内のある職域(公務員)を対象に、平成9 年から実施しているコホート研究です(主任研究機関:名古屋大学大学院医学系研究科国際保健医療学・公衆衛生学)。具体的には、まだ疾病を発症していない健康な人たちを対象に、生活習慣や検査成績などを研究の開始時に調べます。そして、その後の疾病発症状況を長期間にわたって調べ、調査開始時のどのような特徴が、疾病の発症と関係したのかを統計学的な手法を用いて検討しています。
ウェブサイト:http://koei-nagoya.blogspot.jp/

仕事に関連する心理社会的ストレス(psychosocial work characteristics: PWC)に関する研究と実践

仕事に関連する心理社会的ストレス(PWC)が虚血性心疾患や精神疾患のリスクファクターになることが知られており、その対策が求められています。
PWCが健康障害を引き起こすメカニズムとして、PWCが生活習慣の悪化(不眠、喫煙など)を引き起こす可能性が考えられています。私たちはこの関連を調べる疫学研究(前向きコホート研究)を実施しました。

Ota A, Masue T, Yasuda N, Tsutsumi A, Mino Y, Ohara H, Ono Y. Psychosocial job characteristics and insomnia: A prospective cohort study using the Demand-Control-Support (DCS) and Effort-Reward Imbalance (ERI) job stress models. Sleep Med. 2009; 10: 1112-7.
[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19464233]

Ota A, Masue T, Yasuda N, Tsutsumi A, Mino Y, Ohara H, Ono Y. Psychosocial job characteristics and smoking cessation: A prospective cohort study using the Demand-Control-Support and Effort-Reward Imbalance job stress models. Nicotine Tobacco Res. 2010; 12(3): 287-93.
[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20083647]

健康障害のリスクファクターとなるPWCの評価方法についても研究が進んでいます。私たちは仕事の量・質・裁量度や職場でのサポートを評価する質問紙調査票Demand-Control-Support Questionnaireの日本語版を作成し、その信頼性と妥当性を検証しました。

Mase J, Ota A, Inoue K, Iida T, Tsutsumi A, Yatsuya H, Ono Y. Reliability and validity of the Japanese translated version of the Swedish Demand-Control-Support Questionnaire. Ind Health 2012; 50: 467-75.
[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23047080]

PWCがどのような生理学的メカニズムで健康障害を引き起こすかについても研究を進めています。私たちは、視床下部-下垂体-副腎皮質系に注目し、PWCとコルチゾールやデヒドロエピアンドロステロンの分泌の関連について報告を行いました。

Ota A, Mase J, Howteerakul N, Rajatanun T, Suwannapong N, Yatsuya H, Ono Y. The Effort-reward Imbalance work-stress model and daytime salivary cortisol and dehydroepiandrosterone (DHEA) among Japanese women. Sci Rep 2014; 4: 6402.
[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25228138]

作業関連性運動器障害に関する研究

腰背痛症、頸肩腕障害、上肢・手指障害などの作業関連性運動器障害は、平成25年に厚生労働省が約20年ぶりに「職場における腰痛予防対策指針」を改訂したことからも明らかなように、今でもなお多くの労働者を悩ませる問題です。私たちは同指針を改定するための資料となった社会福祉施設における腰痛対策の取りまとめに参加しました。また、医療・介護作業、保育・福祉作業、調理作業などを対象に、作業関連性運動器障害の実態の究明や関連要因の解明、職場要因の実験的分析、予防対策の提案等、現場に対応した研究に取り組んでいます。

厚生労働省・中央労働災害防止協会.社会福祉施設における安全衛生対策マニュアル~腰痛対策とKY活動~


http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/0911-1.html

  • 「ベットのリネン交換作業における作業者の筋骨格系負荷に影響を与える要因に関する実験的研究-作業者要因とベッドの高さの要因による検討-」『藤田学園医学会誌』2012;36:111~117 箭野育子他

  • 「ベットのリネン交換作業における筋骨格系負荷関連要因およびボディメカニクス作業教育の効果に関する実験的研究」『藤田保健衛生大学 大学院 医学研究科 学位論文集』2013;:407~423 箭野育子

動物モデルを用いた非アルコール性脂肪性肝疾患のメカニズム解析

高脂肪・高コレステロール飼料(HFC)を摂取させることにより、短期間で肝炎・線維化に進展するモデル動物(SHRSP5/Dmcr ラット)を用いて、炎症・線維化進展メカニズムの研究を行っています。SHRSP5/Dmcrは脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)の5番目の亜系統で、高血圧かつ血中コレステロール値が高値のラットを兄妹交配して確立され、現在金城学院大学で飼育されています。これまでに、肝炎・線維化進展メカニズムの解析を行い、IL-6・NFκB(p65/p50)を主軸とした炎症性変化を認め、また肝臓内にコレステロール蓄積が顕著であることから、コレステロールの代謝(異化)産物である胆汁酸の代謝・解毒などの解析を行っています。また、不飽和脂肪酸の1つであるエイコサペンタエン酸(EPA)や胆汁酸の1つで薬にも使用されているウルソデオキシコール酸(UDCA)をHFCに添加した実験やHFC飼料からコントロール飼料に戻す実験や性差の解析を行っています。
 さらに、系統元SHRSPや更なる系統元であるSHR(高血圧自然発症ラット)、その系統元であるWistar Kyotoとの比較や、線維化進展と高血圧との関連の解析も行い、生活習慣病対策につなげることを目標としています。

共同研究機関:中部大学生命健康科学部
       金城学院大学生活環境学部食環境栄養学科
       名古屋大学大学院医学系研究科法医・生命倫理学
       名古屋大学大学院医学系研究科病態解析学
2014年
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24448653
2013年
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24071521
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23824403
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23544269
2012年
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22569299
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22407906
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21853259

トリクロロエチレン曝露による皮膚肝障害(Hypersensitivity)のメカニズム解析

 トリクロロエチレン(TRI)は、有機溶剤の1つであり、脱脂能力が高く、工業的な用途で広く用いられてきました。しかし、1980年代末以降、少数ではあるがTRI曝露労働者における肝炎を伴う剥奪性皮膚炎、多形紅斑などの皮膚障害の発生がアジア諸国で報告されるようになり、また日本でも数例報告されています。この皮膚肝障害の発症はTRI曝露から数週間経てから発症していることから遅発性アレルギーの可能性が示唆されています。近年、モルモットにTRIを曝露(Guinea Pig Maximization Test: GPMT)させるとヒトと類似した皮膚・肝障害(hypersensitivity)を発症することが報告され、我々のグループでGPMT試験を行い、メカニズム解析を行っています。また、実際に中国広東省職業病防治院との共同研究でTRI曝露による皮膚肝障害患者のDNAを用い、遺伝子多型の解析とTRIの尿中代謝物を測定し、実際の曝露評価を行っています。この結果をもとに、リスク管理につなげることを目標としています。

共同研究機関:中部大学生命健康科学部
       名古屋市立大学医学研究科環境保健学
       中国広東省職業病防治院
2013年
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24025858
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23928230
2010年
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20709644

医学教育について

公衆衛生学は衛生学と連携して教育を行っています。

公衆衛生学では、人々の生涯の健康を社会的な制度・しくみとの関わりでとらえます。講義では、社会保障制度や医療経済、地域保健・医療のしくみ、保健・医療・福祉・介護に関わる法律と資源など、人々の健康を守るための制度と現況を概括的に理解した後、高齢者保健福祉、精神保健福祉、産業保健、母子保健、学校保健など、人間の生涯の各時期に特有な健康問題と健康保護施策・制度を理解することをめざします。
実習では講義内容をさらに実践的に深く理解すること、すなわち、保健・医療・福祉・介護に関する基本的制度や公衆衛生の各分野における基本的事項に関する学生の知識・理解の醸成と、将来の医師としての社会的実践に向けた基盤の形成をめざします。

以下の6点を学習目標に掲げて取り組んでいます。
  1. 健康問題に対する公衆衛生学の実践的方策を学ぶ。
  2. 公衆衛生に関する諸問題について探索・理解し、さらに要約して発表する能力を高める。
  3. 社会保障、医療・保健・福祉・介護の諸制度、国民医療費について理解する。
  4. 地域保健・地域医療の制度と取り組みについて理解する。
  5. 人間の生涯における特徴的な健康問題と健康保護施策・制度等の要点について理解する。
  6. 高齢者保健福祉・精神保健福祉・産業保健・母子保健・学校保健の基本的事項を理解する。

大学院進学を希望される方へ

公衆衛生学の研究に興味があり、研究意欲のある大学院生を募集しています。
概要
公衆衛生学では、集団における健康阻害要因を明らかにし、制度の変更や環境整備などの方法によって対策をおこなうことを考えます。どのような健康上の問題、あるいは要因に注目して研究するかは、本人の興味、当該研究領域の動向を踏まえディスカッションして決定します。検討の方法や、結果については、ディスカッションを重ね、学術雑誌に論文として投稿できるようまとめます。

研究指導の方針
どのような要因に注目して検討を始めるかは、本人の興味、当該研究領域の動向を踏まえディスカッションして決定します。多くの場合、検討は生物統計学(biostatistics)の知識の取得や、運用能力の向上と並行して進むことになります。一連の検討が終了する頃には、SPSS やSAS などの統計ソフトをある程度使いこなせるようになっていると思います。検討結果については、適宜ディスカッションを重ね、学術雑誌に論文として投稿できるようまとめます。投稿はほとんどの場合、英語によります。論文の執筆にあたっては、過去の研究成果を検索する力、それらを多くの時間をかけずに読みこなす力、自分自身の検討結果を過去の研究成果に積み重ねて評価できる力、そして文章力の鍛錬が必要になります。課されたタスクを決められた時間内に達成する力も極めて重要です。また、学会発表等を通して、関連分野の研究者と友好を深めることになります。

募集要項等
募集要項、入試日程等は大学HPをご確認ください。
http://www.fujita-hu.ac.jp/admission/examination/graduate-medicine/index.html
例年、前期(9月頃)と後期(2月頃)の2回出願期間、入試があります。
詳細は事務部大学院入試係まで
電話:0562-93-2898 FAX:0562-93-4593

講座情報(研究室情報)