病理学Molecular Pathology

研究室スタッフ

教授
  • 浅井 直也
准教授
  • 加藤 琢哉
助教
  • 牛田 かおり
博士研究員
  • Shaniya Abudureyimu

教育

医学における勉強の仕方を通じて、人間的な成長とリンクした他者に対する自然な敬意や気づかいを涵養すること。病理学は基礎医科学(解剖学、組織学、発生学、生理学、生化学、免疫学、微生物学、分子生物学、薬理学、遺伝学など)を基盤とし、ヒトの病気を解明する自然科学の一分野である。臨床医学を学ぶための最初の段階として重要な位置を占めている。病理診断は臨床医学の重要な一翼を担っている。病理学の本質は、形態学的変化・機能的障害・遺伝的変化を基に病気の原因と成り立ちを明らかにすることであり、疾病のサイエンスと捉えられる。講義は、疾病の概念と疾病に関する医学的用語を理解し、各臓器単位の主な疾病の病態について学ぶことを目標とする。実習は顕微鏡・バーチャルスライドを駆使して病気が概念だけでなく実体があることを理解するのに役立つ。病理学各論においては、臓器毎の解剖学的基礎と生理機能を併せ、病的状態における変化を総合的に勉強する。病態病理学では疾病を総合的に把握するため、病気の一般的な視点(俯瞰)を得、さらに細部への洞察を深めるよう自助訓練を促しています。自分で学習する端緒(材料・考え方)を提供する。医師は一生勉強が必要になります。わかることでさらに良い治療を提供出来ること、知ることと理解を深めることが喜びであることに触れてもらいたいと思います。

医学部2年 病理学総論講義
松浦(12講義) 1. 病気の原因、2. 病気と死因、3. 炎症の形態学的変化、4. 発生の異常、5. 循環障害、6.代謝異常
 1) 循環系の構造と体循環・肺循環
 2) 虚血、うっ血、充血、浮腫、副行循環
 3) 血栓症、DIC、塞栓症、梗塞
 4) 心不全の定義および成因
 5) 循環障害の代表的疾患
 6) 炎症・創傷治癒(1.炎症の概念と定義)
 7) 代謝異常の基礎
杵渕(3講義)  全身性疾患の病理学(高血圧と血管障害、生体防御と疾患、アレルギー疾患)
土田邦博総合医学研究所教授(1講義)  筋骨格系疾患の分子病態学
高橋雅英名古屋大学大学院教授・客員(2講義) 発がん機構、家族性腫瘍
中川原譲二国立循環器研究センター部長・客員(2講義) 脳の構造と機能:高次脳機能障害のイメージング
宮部雅幸三重大学麻酔科教授・客員(2講義) 呼吸と循環の基礎と臨床

医学部2年 病理学総論実習
松浦・杵渕(6講義) 1. 循環障害、2. アレルギー、代謝異常、3. 炎症

医学部3年 病理学各論講義
松浦(9講義) 1. 循環系と循環障害、2. 血液系、3. 脳・神経、4. 先天性代謝異常、5. ショック・SIRS・MODS
杵渕(9講義) 1. 肝胆膵、2.リンパ球系、3. 内分泌系と代謝異常、4. 呼吸器、5. 婦人科系、6. 腎・尿路系

医学部4年 病態病理学実習(各2講義単位)
松浦(4講義) 循環器疾患、造血系腫瘍性疾患
杵渕(2講義) 肝胆膵

医学部2年 臨床遺伝学
松浦(2講義) 1. 遺伝形式と家系図、2. 単一遺伝子性疾患、3. 体細胞分裂と減数分裂

医学部3年 腫瘍学
松浦(1講義) 発がんの分子機構とがん検出の進歩

医学部4年 総合医学2
松浦(1講義) 膠原病の病理 (フィブリノイド壊死・血管炎)

大学院がんセミナー:発がんの分子生物学、がんの生物学
大学院医学研究科選択式セミナー:医療者と研究者の倫理と利益相反
倫理委員会教育セミナー:臨床研究と倫理
研究倫理セミナー:医学系研究の倫理(新指針の方向性)
研究倫理セミナー:人を対象とする医学系研究に関する倫理指針と本学の対応
コンプライアンスセミナー:科学の適正な発展のために
大学院保健学研究科セミナー:がんの特徴と発生機構

研究

本教室では分子・原子レベルでの病態解析を目指しています。組織学、生化学、分子生物学的手技を用いて病気における異常を解明し、早期診断や治療の改善に繋がる研究を目指しています。分野は免疫異常(アレルギー・自己炎症)から遺伝病や代謝異常など多岐にわたっています。
最近、放射光を用いた元素分布と原子構造の解析手法を様々な疾患に応用し、全身の臓器・組織・細胞構築から分子・原子レベルまで広範な理解が可能となっています。
第一に自然免疫と獲得性免疫を結ぶ分子の役割をより深く知る。
第二に遺伝性銅代謝異常であるウィルソン病や鉄代謝異常であるヘモクロマトーシスをモデルとして元素・原子解析系を確立し、その他の遺伝的変異・病型と併せた効果的かつ高感度の診断と客観的な治療効果判定をおこなう。これまで知られていない元素異常状態が比較的よくある病気の背景に隠れていると予想され研究を進めています。
第三に原因の明らかでない病気がまだ多くあります。それについて様々な手法を駆使して研究しています。
第四に遺伝的欠陥動物の解析から、MHC-I領域に近接した領域に成長・生殖に必須な遺伝的因子の存在が示唆されています。その領域の転写産物およびその発現に影響するsmall RNA分子の役割を明らかにしつつあります。
第五に老化と免疫系の関係について、長寿命のモデル動物を用いて解析しています。
こういった研究を適正に遂行する際に必要な感性を育むため、技術的に必要な知識・技能を磨き、討論と洞察を日々行っています。