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TOP  > information  > 茶のしずく石鹸等に含まれた加水分解コムギによるアレルギーに関する研究成果を発表しました。

茶のしずく石鹸等に含まれた加水分解コムギによるアレルギーに関する研究成果を発表しました。

【要旨】
アレルギー疾患対策医療学講座 教授 松永佳世子が、日本アレルギー学会「化粧品中のタンパク加水分解物の安全性に関する特別委員会(委員長 松永佳世子)」にて、厚生労働科学研究費の支援を受けて実施した研究成果を、日本時間 6 月 17 日 13 時 30 分に、免疫アレルギー分野で世界最高峰の臨床医学雑誌の一つである、『Journal of Allergy and Clinical Immunology』より発表しました。

従来から、加水分解された小麦のタンパク質(加水分解コムギ)は、様々な化粧品に使用されてきましたが、大規模な副作用の報告はありませんでした。本邦において、特定の加水分解コムギ(グルパール 19S)を含有した洗顔石鹸の使用者に、合計 2,111 人の方がアレルギー反応を示し、社会問題となりました。経皮および/または経粘膜曝露により、体内に加水分解コムギに対する特異的 IgE が産生し、摂取した小麦タンパク質と交差反応したことで、アナフィラキシー等のアレルギー反応を引き起こしたと考えられます。

【研究の内容】
グルパール 19S を含有した当該石鹸は、2004 年 3 月から 2010 年 12 月まで、約 4,650万個が、約 467 万人に販売されました。これは、日本人の成人女性の 12 人に 1 人が使用したことになります。2009 年の秋の日本アレルギー学会で、当該石鹸を使っているうちに小麦を食べるとショックになるという重篤なアレルギーを発症した例が国内ではじめて報告されて以来、症例は増え続け、大きな社会問題となりました。厚生労働省は、2010 年 10 月に消費者に対し、加水分解コムギを使った石鹸全般に対する注意を発表、メーカーは 2011 年 5 月に自主回収を開始しました。
日本アレルギー学会では、本事例に対応するため、「化粧品中のタンパク加水分解物の安全性に関する特別委員会(委員長 松永佳世子)」を設置し、診断基準の策定(表1)、検査法の構築、発症機序の解明、障害実態の把握(本研究)、症例集積方法の確立などを実施するとともに、適切な医療提供のため、メーカーや関連学会、官公庁協力のもと、診療可能施設一覧などの情報提供も行ってまいりました。

疫学調査は、2012 年 4 月から 2014 年 10月までの期間に行い、全国 270 の医療施設を受診した、2,111 例の確実例がいることを明らかにしました(図1)。性別は、女性が 2,025 例、男性が 86 例でした。年齢は、最年少が 1 歳、最年長が 93 歳で、平均は 45.8 ±14.5 歳でした。いずれの症例も、当該石鹸を使用する前に、小麦アレルギーの明らかな既往はありませんでした。
詳細な症状が確認できた 899 例の調査結果から、症例の 25%がアナフィラキシーショックを経験、43%が呼吸困難を経験していることが分かりました。当該石鹸を使用したことにより、新たに小麦アレルギーを発症し、多くの方が生命のリスクにさらされた実態が把握できました。

「化粧品中のタンパク加水分解物の安全性に関する特別委員会」最終結果に関するプレスリリース_170613


研究内容の詳細についてはプレスリリースをご覧ください。

お問い合わせ先

藤田保健衛生大学 医学部 アレルギー疾患対策医療学
教授 松永 佳世子
電話番号 0562-93-9441
E-mail:kamatsu★ fujita-hu.ac.jp

【この研究の成果を詳しく解説できる専門家】
藤田保健衛生大学 医学部 総合アレルギー科
教授 矢上 晶子
電話番号:052-321-8171
E-mail:ayagami★ fujita-hu.ac.jp

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