生体情報検査科学領域

生体情報検査科学分野

担当教員 テーマ
齋藤 邦明 産官学協同による早期疾患発症予測バイオマーカーや未病予測診断システムなどの研究開発を行い、健康長寿・先制医療の実現を目指す。
  1. アミノ酸代謝と免疫
  2. 代謝変容を基軸とした種々疾患解析
  3. 個別化医療の実現 —薬効・副作用予測を中心として
市野 直浩 現在の超音波検査では、組織の「硬さ」を測定することが可能となった。その技術を応用し、疾患の早期発見・診断に寄与する研究を行う。具体的には、以下のテーマで研究指導を行う。
  1. NAFLD/NASHの早期発見および鑑別診断に関する研究
  2. 動脈硬化発症前診断を可能にするバイオマーカーの開発に関する研究
竹松 弘 遺伝学手法を用いて、重要と思われる生命現象の分子生物学的な理解を目指す研究を行う。
  1. 抗体産生に関わるB細胞抗原受容体シグナル伝達を制御する共受容体の研究
  2. 体細胞分裂を制御する糖脂質の細胞周期研究
  3. ヒトに特徴的な免疫応答状態のマウスモデルを用いた解析
大橋 鉱二 エピジェネティクスの視点からのメタボリックシンドローム発症機序を解明して臨床検査への応用を目指す。日頃摂取する量において摂取する個体には直接影響を及ぼす事が無い日頃摂取する量での暴露が次世代に及ぼす影響を解明する。
成瀬 寛之 臨床データおよびバイオマーカーを用いて様々な疾患の病態解明を行う。さらに得られた知見を臨床現場で応用すること目指す。
  1. バイオマーカーを用いた心疾患の病態解明に関する研究
  2. バイオマーカーを用いた急性腎障害の病態解明に関する研究
鈴木 康司 疾病発生のメカニズム解明に寄与し、疾病予防対策・治療方法の樹立に貢献することを目指し、医学・生物学領域における新しい技術を用いて疫学研究を行う。
  1. バイオマーカーを用いた生活習慣病予防に関する疫学的研究
  2. がんの発生要因に関する大規模コホート研究
毛利 彰宏 アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、統合失調症、および自閉症などの精神神経疾患を対象に、血液をはじめとする臨床サンプルを用いた検討を行う。また、ヒトでの疫学的・遺伝学的知見をマウスに反映し、精神疾患モデルマウスを作製し、行動薬理的・神経化学的に病態・発症メカニズムの解析を行う。それら成果から新規治療薬・機能性食品および診断バイオマーカーの開発を目指し、研究成果を社会・医療に還元するトランスレーショナルリサーチを行う。
  1. 臨床サンプル・モデル動物を用いた精神神経疾患の病態解明
  2. 精神神経疾患モデル動物を用いた医薬品・機能性食品の開発
  3. 精神神経疾患バイオマーカーの探索と診断薬開発
杉本 恵子 心不全患者の増加や心疾患治療の進歩に伴い検査データの重要性や新たな指標の重要性が高まっている。本研究室では主に心エコーを用い新たな解析方法や指標の臨床的有用性を検討している。
  1. 心臓超音波法による病態把握・予後予測のための心機能指標の探索
  2. 情動ストレスによる心臓の電気的機械的変化の解析
長尾 静子 ゲノム編集動物、トランスジェニック動物、自然発生疾患モデル、初代細胞、細胞株あるいはiPS細胞を用いて得られる遺伝性疾患や生活習慣病などの疾患における細胞情報伝達経路の解明を目指す。また、得られた異常な細胞情報伝達経路を活性化または抑制することにより、臨床応用を目指す。
  1. ゲノム編集動物、遺伝子組換え動物あるいは自然発症疾患モデル動物を用いた疾患に関わる細胞情報伝達経路に関する研究
  2. 初代細胞、株細胞あるいはiPS細胞を用いた疾患に関わる細胞情報伝達経路に関する研究
  3. 臨床検査学的、分子遺伝学的、薬理学的解析およびオミックス網羅的解析を用いて疾患の治療に結び付く新規治療薬開発に関する研究
山本 直樹 再生医療や創薬研究で用いるiPS細胞、組織幹細胞や遺伝子改変不死化細胞の新たな細胞株の作製、および癌研究で用いる新たな癌細胞株の作製や癌幹細胞の分離研究などを通じて、再生医療などの臨床や医学研究で役立つ細胞培養のプロフェッショナルとしての知識と技術を習得する。
  1. iPS細胞を用いた再生医療の基礎研究
  2. 新たな遺伝子改変不死化細胞やiPS細胞の作製と検証に関する研究
  3. 組織幹細胞および癌幹細胞株の樹立に関する研究
  4. 細胞培養士、臨床培養士の資格取得、細胞培養加工施設での演習など
石川 浩章 高比重リポタンパク(HDL)のmicroRNAに焦点を置き、各種疾患におけるバイオマーカーへの確立を目指して研究を行う。
  1. 動脈硬化発症および進展に対するHDL中のmiRNAの解析
  2. 各種血管系疾患のバイオマーカーとしてのHDL-miRNAの解析
刑部 恵介 非侵襲的に検査を行うことができる超音波検査を用いて、慢性肝疾患の病態期診断および治療効果判定の評価における肝硬度測定や超音波減衰係数の有用性について研究する。
  1. B型慢性肝炎における肝線維化の非侵襲的・定量的評価法に関する研究
  2. 慢性肝疾患の経過観察・治療効果判定・発癌予測における肝線維化の定量的評価法に関する研究
  3. NAFLDにおける肝線維化・脂肪化の非侵襲的・定量的評価法に関する研究
山本 康子 疾患予備群を含む暦年的なデータベースサンプルを用いて、プロテオーム解析およびメタボローム解析を行う事で、先制医療の実現を可能とする診断薬マーカーの開発を行う。
  1. 分子生物学的手法を用いた生体機能分子解析
  2. アミノ酸代謝変容におけるメタボローム解析
  3. 動物モデルを用いた行動解析 —トリプトファン代謝の変容を中心として
塩竈 和也 さまざまな疾患の病理標本を用いた臨床研究を主軸とし、イメージング技術を駆使した網羅解析から病態解明を目指す。
  1. 炎症性疾患における好中球細胞外トラップ(NETs)の役割とその意義
  2. がん微小環境におけるNETsも含めた好中球の役割とその意義
  3. 病理標本を用いた新しい細胞死の概念“PANoptosis”の免疫組織化学的研究
  4. 細胞診標本における細菌性膣症と各種病原体の分子病理学的研究
  5. 病理診断に応用可能な病理技術開発
星 雅人 免疫細胞におけるトリプトファン代謝および糖代謝の役割を解明し、臨床応用を視野に入れた腫瘍を中心とした炎症性疾患に対する新規免疫療法の確立を目指す。また、国民病である慢性腎臓病の早期診断と予後予測を可能とするバイオマーカーの確立を目指す。
  1. 免疫細胞におけるトリプトファン代謝および糖代謝の役割
  2. 慢性腎臓病における新規バイオマーカーの確立
  3. 各種炎症性疾患における希少糖の効果
松浦 秀哲 輸血、移植医療において臨床的に重要である抗体産生の機序を解明し、制御する方法を確立することを目指す。また、臨床で実施される輸血・移植関連検査に関する研究を行い、標準化、質の向上を図る。
  1. 抗赤血球抗体産生のメカニズムの研究
  2. 新規適合性検査(輸血、移植)の開発に関する研究
  3. HLAと疾患感受性に関する研究

遺伝カウンセリング分野

大江 瑞恵 遺伝カウンセリングに関する具体的なテーマについて追究し、文献的考察、または、自らが陪席した事例に関する問題点を深く洞察することで、研究修士論文を作成する。修士研究によって、思考力と洞察力をもって認定遺伝カウンセラーに携わる資質を養う。
  1. 遺伝性疾患を抱える患者と家族の支援に対する研究
  2. 遺伝性疾患に関わる医療や社会支援体制に対する研究
  3. 網羅的検査法により偶然みつかる異常所見への対処に関する研究

生殖補助医療分野

西尾 永司 日本産科婦人科学会の体外受精・胚移植の臨床実施に関する登録施設(主として藤田医科大学病院、その他の協力不妊クリニック)において、ヒト配偶子、受精卵、胚の操作、培養液の作成、器具の準備、採卵室の施設管理と保守などを修得する。さらに、実際の胚培養士の職務を経験する過程で、生殖補助医療に対して高い倫理観と品位を養う。また、最近のトピックスに関心を持つ。
  1. 基礎的アプローチによる生殖補助医療の改良に関する研究
  2. 生殖補助医療に必須の知識と技術の習得
  3. 生殖補助医療胚培養士、臨床エンブリオロジスト受験資格の修得(一部)
  4. 症例の実施記録を論文形式にまとめて発表する