リハビリテーション学領域

リハビリテーション教育科学分野

  • 代表者:金田 嘉清
  • 連絡先:櫻井 宏明 (問い合わせ先 hsakurai@fujita-hu.ac.jp)
  • 概要
    “リハビリテーション教育科学”は、学生の卒前教育、未熟な新人療法士の卒後教育、そしてこれらを指導するための指導者養成教育を研究対象とし、リハビリテーション医療に携わる各種療法士全体の教育における特性および有効な介入手法について科学的解明を目指す。本学の修士課程(リハビリテーション教育科学分野)においては、学生教育、新人療法士教育、指導者教育に関する理解を深めるとともにその一部の解明について研究を行っている。
    また一方で、リハビリテーション療法科学を専攻する院生にとっては、リハビリテーション教育科学を直接の研究対象とするかの如何に関わらず、理解を深めておくことは有益である。すなわち、本分野が取り扱う研究において、験者または被験者の対象を療法士とする機会は多く、研究に参加した療法士がどのような教育を受けてきたか、また今後対象とする療法士がどのような教育を受けることが予想されるのかについては、研究結果の解釈、または今後の研究計画立案において重要である。博士課程の講義であるリハビリテーション療法科学特論Ⅰにおいては、理学療法士教育における臨床技能の標準化とObjective Structured Clinical Examination(OSCE)の信頼性・妥当性、効果についての最新知見を学び、学生、新人理学療法士、臨床実習指導者へのそれぞれ適した教育方法について、講義及びディスカッションを行いながら問題点、今後のあるべき方向性等の議論を深めることを目的とする。またリハビリテーション療法科学演習Ⅰでは、より効果的な教育手法を明らかにするため、演習を通して検証することを目的とする。具体的には、理学療法士におけるObjective Structured Clinical Examination(OSCE)を用いた臨床技能教育を通して考える。また、臨床実習を効果的に実施するため、実習指導者養成のための教育内容を考える。さらに、大学教員と実習指導者との連携を強化した新たな教育指導体制を考える。
    本分野の課程には、リハビリテーション教育科学特論Iおよびリハビリテーション教育科学特論Ⅱ、リハビリテーション教育科学演習、リハビリテーション教育科学特別研究があり、リハビリテーション教育科学に特化したカリキュラムが設定されている。厚生労働省の定めた理学療法士作業療法士学校養成施設の専任教員の教員要件を満たす理学療法士作業療法士専任教員養成講習会と同等の内容を学修するには、これらすべての単位修得が必要である。
  • 担当教員と研究テーマ
    教員の研究業績はリンク先(researchmap)をご参照ください。
担当教員 研究テーマ
金田 嘉清
(教授)
  1. 療法士の帰結予測に関する研究
  2. 療法士の治療技術の標準化に関する研究
  3. 療法士の臨床実習指導に関する研究
櫻井 宏明
(教授)
  1. 理学療法士・作業療法士のための臨床技能とOSCE(Objective Structured Clinical Examination;客観的臨床能力試験)の開発
  2. 理学療法士・作業療法士学生教育、新人療法士教育における臨床能力評価方法の開発に関する研究
  3. 臨床指導者(理学療法士・作業療法士)が学生ならびに新人療法士を教育する上での臨床技術の標準化に向けた研究(臨床指導者養成コースの開発)
  4. 理学療法士・作業療法士学生教育、新人療法士教育における客観的臨床能力試験(OSCE)、問題解決型学習(PBL: Problem Based Learning)、チーム基盤型学習(TBL: Team-Based-Learning)の有用性に関する研究
小山 総市朗
(准教授)
  1. 理学療法士・作業療法士の卒前・生涯教育に関する研究
  2. 運動学習を促進させるフィードバック・意欲・注意・記憶に関する研究
  3. 物理療法(電気、超音波、衝撃波、振動等)に関する研究
  4. ロボット・ICTの臨床活用に関する研究
  5. 心身の健康に対する日常の身体活動や運動に関する研究
  6. 医療データの臨床活用に関する研究

活動科学分野

  • 代表者:寺西 利生 (問い合わせ先 teranisi@fujita-hu.ac.jp)
  • 概要
    基礎研究、臨床研究を問わずに運動システム科学に関する臨床指向的なテーマを選択する。つまり、運動学、電気生理学、義肢装具学、リハビリ工学を基礎とし、従来治療法の神経生理学的検討、および生体計測法・治療技術・装具・福祉支援機器の開発を行い、後世にわたり広く臨床医療に貢献できるテーマを担当教員と討議し設定する。学生は、随時指導教官と討議しながら研究を進め、成果を学会、あるいは論文にて公表するとともに、修士論文を作成する。
  • 担当教員と研究テーマ
    教員の研究業績はリンク先(researchmap)をご参照ください。
担当教員 研究テーマ
寺西 利生
(教授)
  1. 理学療法の治療介入および帰結に関する研究
  2. 病院内における転倒リスク評価と管理手法の開発
  3. 臨床に有用性の高い動作分析手法の開発
  4. トレッドミル歩行分析および動作分析に関する研究
  5. トレッドミル歩行練習法の開発
  6. 麻痺性疾患における装具療法に関する研究
  7. 物理療法に関する研究
鈴木 めぐみ
(教授)
  1. 作業療法における意味のある作業の効果に関する研究
  2. 高次脳機能障害者の主観的・客観的QOLに関する研究
  3. 高次脳機能障害者・認知症患者の評価・訓練に関する研究
  4. 高次脳機能障害者の社会参加に関する開発
大塚 圭
(准教授)
  1. 三次元動作解析装置を活用した臨床指向的歩行分析法の開発と臨床応用
  2. ウエアラブルデバイスを活用した臨床指向的歩行分析法の開発と臨床応用
  3. 脳卒中片麻痺者の歩行の病態解明に関する研究
  4. 脳卒中片麻痺者の動的バランス評価法の開発
  5. 変形性股関節症患者の歩行の病態解明に関する研究
  6. 歩行中におけるインシデントの定量分析

摂食・嚥下治療学分野

  • 代表者:稲本 陽子 (問い合わせ先 inamoto@fujita-hu.ac.jp)
  • 概要
    摂食・嚥下治療学特論や演習において得た知識や浮かび出た現状の問題点を整理し、学生諸君の研究テーマを決定する。テーマは基礎系(解剖学・生理学など)臨床系(訓練効果、帰結評価など)まで多岐にわたり、その時点で医学的あるいは社会的に必要度の高いものを選択する。そして、そのテーマに関するその時点までの研究論文を精読し、討論を行いながら、研究を計画、実施し、研究論文にまとめる。論文は主要な研究雑誌に投稿し、医学的研究としての価値が評価される。受理された論文は修士論文として再構成し提出する。
  • 担当教員と研究テーマ
    教員の研究業績はリンク先(researchmap)をご参照ください。
担当教員 研究テーマ
稲本 陽子
(教授)
  1. 嚥下手技の運動学的検討
  2. 舌筋力増強による嚥下動態変化の検討
  3. 嚥下中の咽頭収縮強化に対する訓練の検討
  4. 嚥下中の舌骨喉頭の運動動態の検討
小野木 啓子
(教授)
  1. 口腔期の評価方法の開発
  2. 摂食嚥下リハビリテーションの帰結調査
  3. 嚥下内視鏡・嚥下造影検査共通の重症度スケール開発

リハビリテーション生体医工学分野

  • 代表者:田辺 茂雄 (問い合わせ先 tanabes@fujita-hu.ac.jp)
  • 概要
    基礎研究、臨床研究を問わず、リハビリテーションに関連した神経生理学、運動学、計測工学、治療・支援機器開発に関連した研究を行う。具体的には、四肢や姿勢の制御、治療的学習、臨床評価手法、リハビリテーションロボットなどについて健常者を対象とした基礎的研究および患者を対象とした臨床研究を行う。学生は随時指導教員と討議しながら研究を進め、関連学会にて成果を発表するとともに修士論文を作成する。学術論文として公表する価値があると評価された修士論文は学術誌へ投稿する。
  • 担当教員と研究テーマ
    教員の研究業績はリンク先(researchmap)をご参照ください。
担当教員 研究テーマ
田辺 茂雄
(教授)
  1. 活動支援機器の開発に関する研究
  2. 理学療法・作業療法の練習および評価の手法に関する研究
  3. 運動機能、認知機能の計測および解析の手法に関する研究
武田 湖太郎
(准教授)
  1. 筋電図・トルク計測による客観的痙縮評価の研究
  2. 脳機能に関する研究
  3. 身体の計測・分析・評価に関する研究
  4. 測定や介入のための機器開発に関する研究
  5. 手の心的回転とその臨床応用に関する研究

リハビリテーション機能形態学分野

  • 代表者:山田 晃司 (問い合わせ先 yamada@fujita-hu.ac.jp)
  • 概要
    筋をはじめとして骨、靭帯、腱、関節などの運動器と中枢神経系について肉眼的、組織学的な知識や理論に基づき、臨床においてリハビリを行う治療過程で発生する諸問題、予後の判定などに関して、形態と構造観察に留まらないその機能解析について説明する。解析方法として肉眼的、組織学的観察方法、行動解析手法を身につけ、免疫組織化学、生化学的、分子生物学的解析手法、神経心理学的手法を用いて、運動器系の組織、細胞の形態と機能、運動制御について明らかにする。また、神経系の解析においても同様な手法に加え動物行動解析、ヒト行動解析学を実施する。各種運動器系および中枢神経系の組織、細胞に関する多くの諸問題について各自の研究課題を明確化し、その仮定を実証した充実した修士論文を作成するための説明を行う。
  • 担当教員と研究テーマ
    教員の研究業績はリンク先(researchmap)をご参照ください。
担当教員 研究テーマ
山田 晃司
(教授)
  1. 免疫組織学的方法、遺伝子工学的手法、生化学的技術を身につけ、骨、筋の生理学的メカニズムを理解し、研究の進め方、文献の活用法、結果の評価方法を講義する。
  2. 多種にわたる運動負荷による骨や筋の形態的変化ならびにタンパク質発現の変動を解析する知識や技術を習得し、自己の研究課題を深め展開し明らかにする。
  3. 老化促進モデルマウスを使用して中枢神経系に与える運動の効果について行動解析、脳組織像解析、タンパク質発現解析を行い、それを引き起こす原因について探究する。。
  4. 運動が中枢神経系に与える影響について神経同調、腸脳相関、マイオカインなどの液性因子を解析し、記憶力低下の緩和のメカニズムについて探求し、認知症予防の運動効果について明らかにする。
  5. ヒトの身体特異性注意を客観的定量的に測定する神経心理学的手法を理解し、運動制御との関連や脳波計を用いた脳活動記録を用いて身体特異性注意の神経基盤を明らかにする。
  6. 非侵襲的脳刺激法を持いた身体特異性注意の修飾方法を理解し、運動制御への影響を調査する。
  7. 脳の多感覚統合を実験的に体感し身体所有感や運動主体感のメカニズムを理解し、自己の研究課題を深め展開し明らかにする。
  8. 筋収縮による関節運動について各センサーを用いて客観的に測定し、筋収縮による関節運動や関節負荷のメカニズムを明らかにする。
西井 一宏
(教授)
  1. 動物を用いた実験の立案方法、基本的な技術を説明する。
  2. 組織学的手法を用いて脊髄神経におけるセロトニンニューロンの分布を明らかにする。
  3. モデル動物における脊髄損傷後の運動器の変化を理解し、神経再生のメカニズムについて解析を行い明らかにする。