活躍する先輩紹介 医療検査学科(臨床検査技師)

森 優子さん(2017年卒業)

大学院卒業後、化粧品メーカーにて、化粧品の知財(主に商標)管理と薬事コンプライアンスの確認などを主な業務として働いています。化粧品・医薬部外品は医薬品と同様、生体の構造・機能・代謝がその効能・効果に深く関与するため、大学時代の学びが重要な職になっています。医療や医薬品、化粧品などの共通点は、人の心身を健やかにすること。中でも化粧品は日常的に使う身近な商品です。“日常における幸せ”を届けられる商品づくりに従事できることが一番のやりがいです。後輩である藤田医科大学の学生さんに 「化粧品メーカーで働きたい!」と思ってもらえるよう、活躍したいと思います。

神野 真司さん(2013年卒業)

大学病院の臨床検査部に勤務し、所属する化学免疫検査室にて患者さんの血液や尿などの検体から蛋白や酵素、脂質、電解質などを測定などをしています。結果の確認や精度管理、分析装置のメンテナンスなどが主な仕事。また、院内のワーキンググループのメンバーとして、さまざまな職種のメンバーと一緒に、AIやロボットを用いた最新医療の開発、地域住民への医療情報の提供や相談にも従事しています。さらに大学病院の重要な役割である教育や研究にも注力しており、日常業務の中でふと疑問に思ったことを課題として捉えて研究を重ね、学会発表に至った時は微力ながら医学の進歩に貢献できたと喜びを感じます。

加藤 雅也さん(2016年卒業)

救命救急センターで検体検査や心電図、心エコー、脳波などの生理機能検査を行っています。救急外来に常駐する臨床検査技師は他職種と連携して診療を支援します。在学中に行った多くの人との交流が、チーム医療でのコミュニケーションに生きています。迅速で正確な検査結果が診療に役立ち、患者さんや他職種からの信頼につながったとき、臨床検査技師になって良かったと思います。

小栗 美里さん(2015年卒業)

トヨタ記念病院敷地内の衛生検査所の生化学部門で、臨床や企業健診の検体の測定、検査結果の確認・報告、自動分析機のメンテナンスに携わっています。学生時代の病院実習の経験から、検体を通して患者さんや受診者さんの存在が強く感じられ、より早く正確に検査結果を提供しようという気持ちになります。病気の早期発見や治療、健康管理につながる検体検査結果を提供できることに、臨床検査技師として責任とやりがいを感じます。

渡辺 健右さん(2014年卒業)

医療機関に対して睡眠呼吸障害の検査・治療機器などの自社製品を提案したり、購入・レンタルしていただいた機器のアフターフォローをおこなっています。臨床検査技師の資格を生かし、医療機関よりご依頼いただく睡眠検査の受託検査解析業務なども担当しています。在学中に培った基礎医学や臨床検査医学の知識・経験は、自社製品への理解や、業務で求められる専門的な医学知識の習得の助けになっています。

田中 亜希さん(2014年卒業)

大学病院の化学免疫検査部門で臨床検査技師として、採血や血清分析、機器メンテナンスなどをおこなっています。検査データを見て異常に気づいたり疾患を推測したりできるのも、大学時代の学びのおかげです。大学のカリキュラムは全て、国家資格の取得はもちろん就職後の臨床現場でも役立ちます。今後は糖尿病療養指導士の資格も取得し、糖尿病治療にも貢献したいです。

鵜飼 友美さん(2013年卒業)

心電図の検査を中心に仕事をしています

もともと生物に興味があり、顕微鏡を見ることも好きでしたので、臨床検査技師の仕事は自分に向いていると思い、めざすようになりました。藤田保健衛生大学は、国家試験の合格率や就職率が100%ということから入学を決めました。現在、臨床検査技師として生理部門に所属し、主に患者さんの心電図の検査を中心に肺機能検査、ダブルマスター、トレッドミル、重心動揺、ホルター解析、採血などを担当しています。また土曜日や夜勤の際には、血液や尿の分析など検体部門の仕事もおこなっています。ほかにも小児科から依頼された、子どもの心電図測定のための説明書も上司とともに作成しています。当院は、技師長をはじめ藤田保健衛生大学出身の先輩方が多く、職場には馴染みやすかったですね。

大学時代は仲間同士で助け合える環境でした

大学時代は1年次から教室での自分の席が決まっていて、全員で同じ授業を受けていました。その分、みんなとの仲も深まり、仲間同士で助け合える環境ができていました。国家試験に向けての勉強も、いつも仲間と進めていました。学生生活を通して、意見を出し合うことの大切さや、自分たちで考え抜くことの重要性も学べたと思っています。3年次の臨地実習では、検査の現場を実感することができ、超音波検査など自分たちでお互いを検査することで、より知識が身につきました。そのときの経験は、今の仕事にも活きています。卒業論文は「エンテロコッカス・フェカリス菌」という腸内細菌についての研究をおこないました。論文作成ばかりでなく、学会で発表をさせていただいたことも貴重な経験になりました。

病院の規模が大きい分、数多くの症例を経験できます

今は心電図を中心に仕事をしているので、まずはその勉強を頑張りたいです。心電図は波形の判読が難しいのですが、本当にいろいろなことがわかります。たとえば心筋梗塞の場合も、波形からどこの部位なのかわかりますし、不整脈も心房から出たものなのか、心室からなのかも判明します。実は大学時代はどちらかというと心電図については苦手だったのですが、判読ができるようになると、興味が湧いて面白くなってきました。当院は病院の規模も大きく、数多くの症例を見ることができますので、とても勉強になります。今後は単に検査をおこなうだけでなく、患者さんについていろいろな角度から考えることのできる臨床検査技師になりたいです。

堀 有沙さん(2012年卒業)

修士課程に進み、学会などで多くの人と関わるようになったことで、何か新しいことに挑戦してみたいという気持ちが芽生えました。幼い頃からものづくりに興味があったこともあり、化粧品という分野で人に幸せを提供できるのではないかと思ったのです。現在は、化粧品工場における新製品の立ち上げ業務、生産の安定稼働業務に携わっています。まだまだ精進が必要ですが、現場の業務を俯瞰的に見る目を持ち、改善点を見出して、前向きに現場を巻き込んでいけるような人材になりたいと考えています。

米山 万里子さん(2012年卒業)

大学の4年間で探求心が高まりました

大学時代は臨床検査技師になるための基本的な知識や技術を修得しましたが、実際の現場ではさらに多くのことが求められます。大学時代に学んだことをベースとして、働いてからも、常に最新の専門知識や技術を習得していかなければなりません。大学4年間で「勉強する姿勢」をしっかりと身につけ、わからないことや興味のあることに対する探求心を鍛えたことは現在とても役立っています。また病院実習のときに学んだ、患者さんに対する接遇や、医師など医療スタッフとのコミュニケーションのとり方は、今でもとても活かされていると実感します。

エコー検査を中心に仕事をしています

現在、生理検査室に配属され、エコーや心電図、肺機能、脳波、ABI(足関節上腕血圧比)などを担当しています。主にエコー検査をすることが多く、心臓、腹部、甲状腺、頸動脈、乳腺、血管エコーと幅広くおこなっています。また甲状腺の穿刺時の補助や、心臓血管外科での手術の際に経食道エコー(食道から心臓の状態を観察する検査)のサポートをすることもあります。日々の業務は緊張感を伴い、まだまだ知識も経験も不足していると痛感します。しかし患者さんから「ありがとう」「あなたの笑顔のおかげで元気が出たよ」などといった感謝の言葉をいただくと嬉しいですし、もっと頑張らなくてはと思います。

取り組んでみたいことはたくさんあります

特に循環器系に興味がありますので、心電図、心臓エコーなどを中心に資格取得を視野に入れ専門性を高めていきたいです。昨年は認定心電図技師の資格を取得しました。また超音波検査士の認定資格取得をめざして、日々エコー検査をおこないつつ、超音波関係の学会や勉強会に参加して知識を深めるように努めています。今後はさらに経験を積んでスキルを高め、より精度の高い検査結果を提供できるようになりたいです。
次に取り組みたいことは、日常の検査業務だけでなく興味をもったことを深く追究する研究活動であり、学会で研究発表をすることです。
また現在は生理検査室に配属されていますが、輸血検査や生化学検査にも興味があり、多くのことを経験し専門性と同時に幅広い知識をもった臨床検査技師をめざしていきたいです。

植村 美里さん(2011年卒業)

現在、地域警察官として諏訪警察署で勤務しています。空き巣や交通事故などの事案に対する初動捜査から交通取り締まり、落とし物・拾い物、地域住民の皆さんとの面接まで、業務の内容は多岐にわたります。また、鑑識係の補助をおこなう「鑑識代行員」の指定を受けているため、侵入盗の現場などで指紋・足跡採取や写真撮影などの現場鑑識作業の補助も任されています。ほかにも司法解剖の際は、人体の構造や臓器についての知識があるということで、写真撮影の補助をさせていただくこともあります。「資料採取の段階から分析は始まっている」。これは、大学時代の講義のなかでの先生の言葉です。今後は、大学時代に学んだ医療や生物、化学の専門的な知識を活かし、現場に残されたわずかな痕跡も見逃さない、鋭い目をもった鑑識係員になりたいです。

平成27年4月1日付で飯田警察署刑事課に異動し、鑑識係員として活躍しています。

坪井 彩さん(2011年卒業)

これまでの知識をより深め 臨床検査分野の発展に貢献したい

坪井 彩さん
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 勤務
2011年卒業

大学卒業後、京都大学大学院に進学し、「関節リウマチの薬効予測の診断システム」について研究していました。
大学院を修了した2013年、検査機器の製造・販売を手がけるロシュ・ダイアグノスティックスに就職。現在、免疫分野の学術を担当し、主に営業サポートや新しく導入された検査機器の使用法などのトレーニング、病院スタッフへの院内勉強会を実施しています。

大学時代に学んだ検査学の知識は、現在の学術知識のベースとなっています。
また病院実習によって検査室の雰囲気や仕事を理解できたことは、今でも大変参考になっています。高度な専門性を要求される仕事ですが、知識をより深められますし、臨床検査分野の発展にも貢献できるので、大きなやりがいを感じます。
今後も、より深い学術知識を身につけ、検査室への情報提供や積極的な臨床医訪問をおこなうことで、検査と臨床を結びつけることに貢献できたら嬉しいです。

山田 宏哉さん(2006年卒業)

本学を卒業後、大阪大学大学院に進学し、博士号を取得しました。現在は、本学医学部の衛生学講座の助教として予防医学についての講義・実習などの教育を担当しています。研究面では甲状腺疾患の病態解明や新たなバイオマーカー(身体の状態を客観的に測定し評価するための指標)を同定し、これらの成果を論文や学会などで世界に発信しています。また生活習慣病など発病以前の段階の人について、将来発症するメカニズムの解明と、発症予測診断に関する研究に取り組んでいます。今後は、新たな分子診断法(一滴の血液から発症を予測する診断法)の確立と、一人ひとりに着目した「個別化予防の確立」をめざしています。臨床検査学という分野は、幅広い医学知識と、再生医療、分子生物学など先端の科学技術が学べます。これらを武器に自分の可能性を広げていってほしいと思います。

武田 淳さん(2004年卒業)

臨床検査技師という資格を生かして直接患者さんと関わりたい。同時に、大学で研究を続け新しいことに挑戦したいという気持ちがあり、この職場を選びました。現在は、救命救急センターで必要とされる検査業務全般をおこなっており、特に入院を必要とする重症な患者さんの、採血から血液の分析、心電図、脳波、超音波検査などの生理機能検査を担当しています。患者さんはもちろん、医師や看護師、スタッフの「ありがとう」という言葉を励みに、チーム医療に貢献していきたいです。そして、今後も研究を続け、現場にフィードバックしていきます。

若尾 昌平さん(2003年卒業)

再生医療への応用が期待される 間葉系幹細胞の研究を進めています

若尾 昌平さん
東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野 助教
2005年大学院修了

東北大学大学院で助教として勤務しています。教育面では医学部2年生の組織学、肉眼解剖学の講義を担当し、研究面では間葉系幹細胞の研究を進めています。
私たちの研究室で見出されたMuse(Multilineage-differentiating stress-enduring)細胞をはじめ、間葉系幹細胞は安全性などの観点からも、最も再生医療への応用が期待されている細胞です。世界に向けて成果を発信できるよう、日々研究に取り組んでいます。

大学時代は、心のどこかで臨床検査技師には向いていないのではと考えていました。結局、元々興味のあった研究をおこなうために大学院に進学。修了後、京都大学を経て東北大学で博士号を取得しました。私のように、臨床検査学科に入ったからといって、必ずしも臨床検査技師だけが道ではありません。在学中はいろいろなことに興味を持ち、その中から自分の可能性を広げていってほしいと思います。

高橋 礼子さん(2001年卒業)

診断・治療に役立つデータを提供する それが私の仕事です

この仕事の魅力・やりがい

患者さんや医療スタッフとの会話も重要な仕事です

臨床検査技師とは、医療現場で行われるあらゆる検査のスペシャリストです。
現在、私は救命救急センターで主に超音波検査を担当し、治療計画の作成に必要なデータをとって医師や看護師にフィードバックしています。でも、ただ検査をするだけの仕事ではありません。たとえば患者さんの心臓エコーの画像を見て、少し見ただけでは気づかないような小さな血栓(血のかたまり)を心臓の中に発見し、医師に報告することで治療計画が見直されたりすることもあります。そこまでが私の仕事だと思っています。
医師や看護師などから「やはり難しい検査は高橋さんにお願いします」と言っていただけることが、臨床検査技師としてのいちばんの喜びです

業界ココだけ話!

一般的に臨床検査技師は、病院の中央検査室に所属して検査を行います。藤田保健衛生大学病院では、さまざまな部門に分かれて臨床検査技師が活躍しています。
最初に配属されたのは微生物検査室で、文字どおり細菌などの微生物に関する検査をしていました。他にも病理検査、生化学検査、生理学検査などの部門があり、それぞれに検査技師はまったく異なる働き方をしています。
現在所属する救命救急センターでは、ICUなどの患者さんの検査が中心ですから、常に患者さんのベッドサイドでの検査が中心です。ときどき患者さんから「いつもありがとう」と言っていただけることもあり、そんな時は、やはり医療に関わる者としてとても嬉しく思います

これからかなえたい夢・目標

入職してから超音波検査に興味が出て、専門的に学ぶために「超音波検査士」という資格を取得しました。他にも心電図や電子顕微鏡、細胞検査などの専門資格がありますから、臨床検査技師としてステップアップするためにもさまざまな資格に挑戦しようと思います。
また大学病院は診療だけでなく研究もおこなう医療機関であるため、経験を積むと「研究」に取り組むことも求められます。私も専門の医師の指導を受けながら、自分がとった超音波検査のデータを分析し、学会で発表させてもらいました。今も同僚と交替で、毎年学会発表に参加しています。
これからもっと勉強して、いつか海外の学会で発表できる臨床検査技師になることが私の夢です。

プロフィール

藤田保健衛生大学病院 臨床検査部勤務/医療科学部臨床検査学科/2001年3月卒/
幼い頃に祖父母をガンで亡くしてから、医療に興味を持ったという高橋さん。また子どもの頃から理科の実験が好きだったこともあり、「臨床検査技師」をめざそうと決めたそうです。
そこで、国家試験合格率が高い藤田保健衛生大学に進学。卒業後、藤田保健衛生大学病院に入職した後は、さまざまな部門を経験しながら臨床検査技師としてのキャリアを積んでいます。
最近は検査だけでなく、検査技術の研究や、それについての学会発表、さらに実習に訪れる後輩学生の教育にも力を入れています。