保健学研究科は、臨床検査学系、看護学系、医用放射線科学系、リハビリテーション学系、臨床工学系、医療経営情報学系の各学問領域の有機的な融合から成り立っています。建学の理念である「獨創一理」を踏まえ、保健学に関する学術の理論および応用を習得かつ研究することによって、その深奥を究め、国民の健康増進と文化の発展に寄与することを目的としています。幅広い課題探求能力、専門的実践力、豊かな人間性を併せ持った各領域のスペシャリストとして、国内外で期待される高度専門職業人や研究者、教育者を育成します。
2019年4月より、一般財団法人 医学物理士認定機構から医用放射線科学領域の医学物理学分野が医学物理士の教育コースとして認定されました(中部地区初)。
教育目標・3ポリシー
教育研究上の目的
藤田医科大学大学院保健学研究科保健学専攻修士課程は、本学の建学の理念である「獨創一理」を踏まえ、保健学に関する学術の理論及び応用を教授研究することによって、その深奥をきわめ、国民の健康増進と文化の発展に寄与するとともに、保健学の各領域における高度専門職業人、組織リーダー及び研究者・教育者を育成することを目的とする。
教育目標
保健学研究科 保健学専攻修士課程は臨床検査学領域、看護学領域、医用放射線科学領域、リハビリテーション学領域、臨床工学領域及び医療経営情報学領域の幅広い分野で活躍できる医療関連の人材を養成することを目標とする。
専門職の細分化が進む実地医療の現状に鑑み、本専攻の6領域は保健学分野の中心として、将来の専門職において相互理解と連携が必須であり、共通科目を設けて医療や保健のあり方を学び、保健学の1専攻のなかで視野の広い教育を行う。人間の生命を尊重する倫理観と心豊かな幅広い人間性を培い、医療・医学の知識・技術の修得をもとに、医療従事者として統合した医療を提供できる、次の(1)~(3)の資質をもったスペシャリストの養成をめざす。
(1)各人のめざす専門職種に最も関連の深い医療・医学分野の現状と今後の展望を把握できる課題探求能力の高い人材。
(2)実践科学としての「医療」と密接に関連した分野の学習を通して、医療の本質について具体的に理解できる実体験豊富で応用能力の高い人材。
(3)研究者・教育者として、あるいは高度の専門職業人として医療・医学関連領域における学術研究の進展に対応できる論理的思考と豊かな基礎学力を持ち、自ら成長できる人材。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
保健学研究科 保健学専攻修士課程にあってはディプロマ・ポリシーに掲げる能力を修得させるために、以下の方針に基づいて、コースワークである講義と演習、リサーチワークである特別研究を体系的に科目配当し編成している。
(1)選択制の共通科目は、他領域の専門知識の理解を促し、幅広い視野に立った学識を育成する。
(2)専攻分野に関する科目である特論と演習は、専門領域における課題や問題点を主体的に探究し、解決する能力を育成する。
(3)保健学セミナーは、必須の共通科目で、著名な研究者を招いて最新の研究動向を理解する能力を育成する。
(4)特別研究(課題研究)は、課題や研究手法を立案・実施し、一貫した論理を展開でき、論文を作成する能力を育成する。
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
保健学研究科 保健学専攻修士課程にあっては所定の年限以上在籍して、教育の理念と目的に沿って設定した所定の単位を修得し、論文または特定の課題についての研究成果の審査及び最終試験において、以下の能力を身につけていることを学位認定の基準とします。
(1)専門領域における課題や問題点を主体的に探求する能力。
(2)幅広い視野に立った学識を備え先行研究を深く理解する能力。
(3)新規性(独創性)のある課題や研究手法を立案・実施する能力。
(4)一貫した論理を展開する能力。
(5)専門分野における研究能力あるいは高度な専門性を必要とする職業を担うための能力。
領域・分野
専攻領域 | 専攻分野 |
---|---|
臨床検査学領域 | 臨床検査学領域は、臨床検査学科で学んだカリキュラムの内容をより専門的に発展させた9つの研究分野で構成されています。近年の臨床検査教育の主流は4年制大学ですが、大学病院を中心とした医療機関では大学院修士課程修了者の人材希望が着実に増えつつあります。自分で考え、行動できるリサーチマインドを持った臨床検査技師が求められているからです。臨床検査学領域では、進歩が著しい医療技術の発展に積極的に貢献する人材を育成します。 |
形態・細胞機能解析学分野/臨床生理・画像情報解析学分野/基礎病態解析学分野/病態制御解析学分野/臨床病態解析学分野/予防医療情報解析学分野/疾患モデル科学分野/遺伝カウンセリング分野/レギュラトリーサイエンス分野/再生医療分野/生殖補助医療分野 | |
看護学領域 |
看護学領域は、6つの研究分野で構成されています。 |
基礎・統合看護学、成人・老年看護学、精神・地域看護学、母性・小児看護学、急性期・周術期、臓器移植コーディネート
|
|
医用放射線科学領域 | 医用放射線科学領域には、①さまざまな生体機能の計測やその画像検出法を探求する生体計測工学分野、②画像診断や代謝機能画像解析を探求する医用画像情報学分野、③放射線の防護と安全管理を探求する放射線安全管理学分野、④医用放射線の物理特性を探求する医学物理学分野の4分野が開設されています。本課程では、研究方法論やリサーチマインドの基礎を修得し、疾患の画像診断から治療に至るまで幅広く利用される放射線技術科学の進歩発展に寄与する高度な研究を遂行して、修士号の取得をめざします。 |
脳神経画像科学分野/医用画像情報学分野/放射線安全管理学分野/医学物理学分野 (医学物理教育コース 認定) |
|
リハビリテーション学領域 | リハビリテーション学領域は、臨床中心の教育理念を追求しています。そのために選ばれた以下の5つの分野から構成され、理学や作業、摂食・嚥下のほかに、基礎医学(機能形態学)と教育の分野を含むのが本学の特色の一つです。 テーマとして常に臨床に役立つ研究を追求することを大きな特色とし、分野間や臨床現場との垣根をなくし、一体となって修了後の臨床や研究につながる研究指導をおこなっています。 |
運動システム科学分野/摂食・嚥下治療学分野/作業療法科学分野/リハビリテーション機能形態学分野/リハビリテーション教育科学分野 | |
臨床工学領域 | 臨床工学領域は、臨床工学の学部教育を基盤に、より高度な専門知識と最先端技術を身に付けた高度専門職業人の養成や、先進的な医療における診断や治療のための機器・技術の開発できる人材を育成します。この領域では、3つの分野(生体物質構造機能学分野、医用工学分野、人工臓器治療支援学分野)からなり、医療系や工学系分野の卒業者を対象に、現代医療の高度化と多様化に対応し、学際的な領域にも対応可能な幅広い人間性と総合的な視野を持つ医療人、研究者、教育者として羽ばたくことが出来ます。 |
生体物質構造機能学分野/医用工学分野/人工臓器治療支援学分野 | |
医療経営情報学領域 | 医療を取り巻く環境はIT技術の進化と高齢化社会の到来により大きく変化し、医療マネジメントの重要性がますます高まっています。本領域は、この社会要請に応えるべく医療分野の経済・経営・情報システムの高度な専門知識をもった人材を育成します。研究テーマとしては、医療費分析、人的資源管理、インターフェース設計、治療のためのデータ共有化などがあります。医療マネジメント能力や情報分析能力を高めたい意欲ある方を待っています。 |
医療マネジメント学分野/医療情報学分野/医療通訳分野 |
社会人大学院生の受け入れ
長期履修学生制度について
職業を有している等の諸事情により、大学院の教育課程を標準修業年限(2年)で履修することが困難な場合、標準修業年限を超えて3年または4年で修学することを認める制度です。学費は、標準修業年限分の授業料を長期履修期間で除した額が年額となります。
社会人でも働きながら大学院へ通うことができ、保健学の各領域における高度な知識や技術、研究能力、臨床能力を修得できます。
昼夜開講制について
社会に開かれた大学院教育の実現と社会人に対する再教育への要望から、本研究科では医療科学の各領域における高度な知識や技術・研究能力・臨床能力を修得する機会を与えることを目的として、昼夜開講制を採用しています。
夜間や特定の時間または時期に授業・研究指導の時間を設け、現に地域医療に携わっている社会人が大学院の授業・研究指導を受けやすくするための制度です。
社会人による入学者を対象に、従来までの第1限~第5限の他に、第6限(18:00~19:30)、第7限(19:40~21:10)に授業をおこなうとともに、必要により土曜日、夏季休業期間の集中授業を設定することで便宜を図っています。