平成28年度 藤田保健衛生大学病院 病院指標

1番目：狭心症、慢性虚血性心疾患に対し、心臓カテーテル検査を行った入院
2番目：狭心症、慢性虚血性心疾患に対し、経皮的冠動脈形成術・経皮的冠動脈ステント留置術を行った入院
3番目：頻脈性不整脈に対し、経皮的カテーテル心筋焼灼術を行った入院
4番目：狭心症、慢性虚血性心疾患に対し、心臓カテーテル検査と血管内超音波検査等を行った入院
5番目：心不全に対し、手術や心臓カテーテル検査等を行わない保存的治療の入院

　2016年は虚血性心疾患の患者さんに対し、1,517例の冠動脈造影検査及び550例の冠動脈ステントなどを用いたカテーテル治療を施行しています。全てのカテーテル治療において大きな手術関連合併症もなく良好な治療成績を得られています。
　また不整脈に対する治療として、カテーテルアブレーションやペースメーカーの植込み、植込み型除細動器(ICD)留置や心臓再同期療法(CRT)を行っています。特にカテーテルアブレーションでは心房細動が増加しており、近年では手技時間が大幅に短縮可能なクライオアブレーションも導入し、従来の高周波アブレーションと同等の成績が得られています。2016年はカテーテルアブレーション238例、ペースメーカーやICD等の植込みを104例試行しています。

1番目：肺の悪性腫瘍に対し、生検法（病理組織検査材料を採取する）を行った入院
2番目：非ホジキンリンパ腫に対し、リツキサン注（抗がん剤治療）を行った入院
3番目：全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患に対し、保存的治療を行った入院
4番目：慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全に対し、手術等をしないで治療を行った入院
5番目：胆管（肝内外）結石、胆管炎に対し、手術等（膿瘍除去や胆管狭窄等を治療）を行った入院

1番目：免疫介在性・炎症性ニューロパチーに対し、ガンマグロブリン製剤大量療法による治療を目的とした入院
2番目：パーキンソン病に対し、SPECT、DATscan、MIBG心筋シンチグラフィー等で確定診断や病期の評価を行うと共に、薬剤調整とリハビリを目的とした入院
3番目：主に中枢神経系を障害する変性疾患等に対し精査・治療・リハビリを目的とした入院
4番目：脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）に対し、エダラボン（脳保護薬）を含む薬物療法を行った入院
5番目：脳脊髄の感染を伴う炎症に対し、抗菌剤、抗ウイルス剤などによる治療を行った入院

　免疫介在性・炎症性ニューロパチー以外の神経免疫疾患でも多数の診療を行っており、特に脳脊髄根末梢神経炎では世界一の診療実績と当科のみで行える検査法を有しており、その検査のため国以外の医療機関より多数の検体が届いています。その他、当科で世界初となる自己抗体を発見しているため、高度の診断精度を誇っています。

当科は総合的なメンタルケアが出来るよう、７つの外来診察室と19床の開放病棟に加え32床の閉鎖病棟を設置しております。閉鎖病棟では隔離室や中央配管を設置していることにより、手術を要する患者さんの受け入れや、難治性のうつ病や統合失調症の患者さんに対して電気けいれん療法の術後管理、無顆粒球症の恐れがあるクロザピン使用など、他科のサポートを受けながら様々な状況に対し安全な対応が可能となっています。

※患者数が10未満のため『‐』で表示しています。

1番目：熱性けいれんに対し、保存的治療を行った入院
2番目：肺炎等（1歳以上15歳未満）に対し、保存的治療を行った入院
3番目：急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症（その他）に対し、保存的治療を行った入院
4番目：てんかんに対し、保存的治療を行った入院
5番目：上気道炎に対し、保存的治療を行った入院

　当院小児科は、日本小児科学会が小児科医の理想像として掲げる「子どもの総合診療医」としての理念を重要視し、１次から3次医療まで幅広く全ての小児疾患を対象として診療を行っています。そのため、診療内容として上位を占める疾患は頻度の高い1次、2次疾患が中心となります。一方で、近年ますます患者さんが増加し社会的重要性も増しているアレルギー診療、極めて稀な疾患で専門性の高い知識が必要な先天性代謝疾患だけでなく、循環器、腎疾患、血液腫瘍、神経、重症感染症、新生児診療なども専門のスタッフを擁し、高レベルの医療を提供しています。また、多彩かつ豊富な症例を診療するアドバンテージを生かし、新規診断治療法、病態解明などの臨床研究にも積極的に取り組んでいます。

1番目：胃の悪性腫瘍に対し、手術や抗癌剤を投与せず保存的治療を行った入院
2番目：結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍に対し、腹腔鏡下または開腹による腫瘍切除術を行った入院
3番目：甲状腺の悪性腫瘍に対し、腫瘍切除術を行った入院
4番目：肝・肝内胆管の悪性腫瘍（続発性を含む。）に対し、血管塞栓術を行った入院
5番目：乳房の悪性腫瘍に対し、腫瘍切除術、リンパ節郭清術を行った入院

1番目：非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤に対し、ステントグラフト内挿術を行った入院
2番目：閉塞性動脈疾患に対し、四肢の血管拡張術・血栓除去術等を行った入院
3番目：弁膜症（連合弁膜症を含む。）に対し、弁形成術、弁置換術等を行った入院
4番目：狭心症、慢性虚血性心疾患に対し、冠動脈形成術や冠動脈・大動脈バイパス移植術等を行った入院
5番目：非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤に対し、冠動脈・大動脈バイパス移植術、弁形成術、弁置換術を行った入院

1番目：肺の悪性腫瘍に対し、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等を行った入院
2番目：気胸に対し、肺切除術等を行った入院
3番目：肺の悪性腫瘍に対し、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等を行い、中心静脈注射や人工呼吸にて治療を行った入院
4番目：縦隔の良性腫瘍に対し、胸腔鏡下肺切除術等を行った入院
5番目：肺・縦隔の感染、膿瘍形成に対し、保存的治療を行った入院

1番目：口蓋・口唇先天性疾患に対し、口唇裂形成手術等を行った入院
2番目：乳房の悪性腫瘍に対し、乳房再建術等を行った入院
3番目：顔面損傷（口腔、咽頭損傷を含む。）に対し、眼窩骨折観血的手術等を行った入院
4番目：眼瞼下垂に対し、眼瞼下垂症手術等を行った入院
5番目：小耳症・耳介異常・外耳道閉鎖に対し、耳介形成手術、外耳道形成手術、小耳症手術等を行った入院

　当科は、口唇に蓋裂や第一、第二鰓弓症候群（小耳症を含む）など、顔面先天外表異常の患者さんを非常に多く受け入れており、中部地区の広い範囲から集まってくる日本有数の施設です。

1番目：未破裂脳動脈瘤に対し、動脈カテーテルを法を行った入院（造影剤を注入して撮影を行うことで動脈瘤や動脈の狭窄や閉塞などの血管病変や腫瘍の存在や広がりが確認できる）
2番目：脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）に対し、エダラボン（血液の流れがわるくなったところで増加する有害なフリーラジカルを消去し、脳を保護する）を投与した入院
3番目：非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）（JCS10未満）に対し、保存的治療を行った入院
4番目：頭蓋・頭蓋内損傷に対し、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等を行った入院
5番目：脳腫瘍に対し、頭蓋内腫瘍摘出術等を行った入院

1番目：股関節骨頭壊死、股関節症（変形性を含む。）に対し、人工関節置換術等を行った入院
2番目：脊柱管狭窄（脊椎症を含む。）　腰部骨盤、不安定椎に対し、脳脊髄腔造影剤使用撮影を行った入院
3番目：前腕の骨折に対し、骨折観血的手術等を行った入院
4番目：股関節大腿近位骨折に対し、人工骨頭挿入術等を行った入院
5番目：膝関節症（変形性を含む。）に対し、人工関節置換術等を行った入院

リハビリ医学・医療に関する積極的な臨床・研究・教育活動を行っており、脳血管障害、外傷性脳損傷、脊髄損傷、膠原病、整形外科疾患、小児疾患、呼吸器疾患、循環器疾患など幅広い領域に対応しています。また、歩行障害に対する三次元動作解析や最新装具の開発、摂食嚥下障害への包括的訓練プログラム、ロボットリハビリなど最先端のリハビリ医療を展開しています。

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1番目：皮膚の悪性腫瘍（黒色腫以外）に対し、皮膚、皮下腫瘍摘出術等を行った入院
2番目：帯状疱疹に対し、保存的治療を行った入院
3番目：急性膿皮症に対し、保存的治療を行った入院
4番目：湿疹、皮膚炎群に対し、保存的治療を行った入院
5番目：皮膚の良性新生物に対し、皮膚、皮下腫瘍摘出術等を行った入院

　当科は皮膚悪性腫瘍を中心に幅広い疾患に対応しています。

1番目：膀胱腫瘍に対し、膀胱悪性腫瘍手術・経尿道的手術を行った入院
2番目：前立腺の悪性腫瘍に対し、腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いるもの（ダヴィンチ））を行った入院
3番目：腎臓または尿路の感染症に対し、保存的治療を行った入院
4番目：前立腺の悪性腫瘍に対し、密封小線源治療（放射性同位元素を腫瘍内や腫瘍のごく近傍に配置することにより、腫瘍に限局して放射線を投与する）を行った入院
5番目：上部尿路疾患（腎結石及び尿路結石等）に対し、経尿道的尿路結石除去術等を行った入院

1番目：既往子宮術後妊娠（初産が帝王切開にて分娩した後、二人目以降の妊娠を指す）にて帝王切開手術等を行った入院
2番目：子宮の良性腫瘍に対し、腹腔鏡下腟式子宮全摘術等を行った入院
3番目：子宮頸・体部の悪性腫瘍に対し、抗癌剤治療を行った入院
4番目：卵巣の良性腫瘍に対し、子宮附属器腫瘍摘出術（両側）腹腔鏡によるもの等を行った入院
5番目：子宮の良性腫瘍に対し、子宮全摘術等を行った入院

1番目：黄斑、後極変性に対し、硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む）等及び水晶体再建術を行った入院
2番目：網膜剥離に対し、網膜復位術等を行った入院
3番目：糖尿病性増殖性網膜症に対し、増殖性硝子体網膜症手術等を行った入院
4番目：硝子体疾患に対し、硝子体切除術等を行った入院
5番目：黄斑、後極変性に対し、硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む）等を行った入院（水晶体再建術は行っていない症例）

1番目：扁桃、アデノイドの慢性疾患に対し、口蓋扁桃手術（摘出）等を行った入院
2番目：耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍に対し、喉頭腫瘍摘出術（直達鏡）等を行った入院
3番目：前庭機能障害に対し、保存的治療を行った入院
4番目：慢性副鼻腔炎に対し、治療を行った入院
5番目：頭頸部悪性腫瘍に対し、腫瘍切除術を行った入院

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1番目：股関節大腿近位骨折に対し、人工骨頭挿入術等を行った入院
2番目：薬物中毒（その他の中毒）に対し、保存的治療を行った入院
3番目：頭蓋・頭蓋内損傷に対し、保存的治療を行った入院
4番目：胸郭・横隔膜損傷に対し、保存的治療を行った入院
5番目：頭蓋・頭蓋内損傷に対し、血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）止血術等を行った入院

『経皮的冠動脈ステント留置術、経皮的冠動脈形成術』
治療は局所麻酔で行います。橈骨動脈、大腿動脈あるいは上腕動脈からカテーテルと呼ばれる管を血管の中に入れ、冠動脈の入り口まで送り込みます。さらにその管を通して、病変部にまずガイドワイヤーとよばれる細くて柔らかい金属の糸を通します。次に、ガイドワイヤーに沿わせて血管内超音波、血管内視鏡、光干渉断層法（OCT/OFDI）、近赤外線分光法（NIRS）、プレッシャーワイヤーなどを挿入し、病変部の性状をより細かく評価し、それぞれの患者さんに適した治療方法を選択します。一般的には風船（バルーン）をガイドワイヤーに沿わせて病変部に進めて病変を拡張したり、金属ステントや生体吸収性スキャフォールドの留置を行います。適応疾患は狭心症、急性心筋梗塞などの虚血性心疾患です。

『経皮的カテーテル心筋焼灼術』
心臓の内側に電極カテーテルとよばれる細い管を留置し、不整脈の原因箇所の心筋組織を熱焼灼（アブレーション）する治療です。この方法は1990年代より臨床使用されるようになり、治癒率と安全性が著しく向上しました。電極カテーテルの先端温度は高周波通電装置により50℃程度に上昇し、これにより病変心筋を焼灼します。治療適応となる不整脈は発作性上室頻拍、心房頻拍・心房細動・心房粗動・心室頻拍などです。近年は手技時間が大幅に短縮可能かつ通常の高周波アブレーションと同等の成績が得られるクライオアブレーションも行っています。

『ペースメーカー移植術（経静脈電極）』
ペースメーカーは、大きく分けて電池と電気回路を組み合わせた発振器（ジェネレータ）とこれに接続した細長い電極（リード）で構成されています。電極の先を心臓に取りつけ発振器と電極を接続すると、発振器から一定のリズムで心臓に電気刺激が伝わり、それに応じて心臓が拍動する仕組みになっています。また、致死性不整脈に対する植込み型除細動器(ICD)留置や心機能の低下症例には心臓再同期療法(CRT)も行っています。

『内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術』
スネア鉗子（高周波電流を利用してポリープ及び悪性腫瘍の切除、焼灼を目的とした内視鏡スネアである。）などを用いて大腸内のポリープを切除します。

『内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層）』
主に早期胃癌に対して、内視鏡を用いて病変を胃の中から切除する方法です。長所としては、低侵襲であり、後遺症が外科手術に比べて少ないことが挙げられます。

『内視鏡的消化管止血術』
消化管の出血部位を内視鏡下に確認し、レーザー、止血クリップ等で止血します。

『内シャント又は外シャント設置術』
血液がたくさん流れている動脈と呼ばれる血管と腕の表面の血管をつなぎ合わせて、静脈にたくさんの血液が流れるようにします。これを内シャントと言い、手術をして作ります。しかし、患者さんの中には血管が細く自己管理でシャントを作っても十分血液が流れなかったり、シャントを何度も作り直し自分の血管ではこれ以上新たなシャントが作れない場合、動脈と静脈を人工血管でつなげシャントを作ります。
透析治療は体にたまった老廃物をきれいにする治療法ですから、透析をしても腎臓はよくなりません。また、体内ではいつも老廃物が作られていますから、一回透析を受けても、数日でまた老廃物は体にたまってしまいますから、定期的に透析が必要となります。通常、一回の透析時間は４時間くらいで、週3回（月･水･金または火･木・土曜日）行います。

『内視鏡的胆道ステント留置術』
ステントという器具を胆管内に挿入する方法です。胆管を広く押し広げるため、長期にわたって胆管の流れを確保することができます。

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『新生児仮死蘇生術（仮死第１度）』
新生児仮死とは新生児にみられる呼吸循環不全を主徴とする症候群のことです。

※患者数が10未満の手術については『-』で表示しています。

『鼠径ヘルニア手術』
人間の内臓には『腹膜』という袋で包まれています。さらに外側を筋肉が包み、この袋が飛び出すのを防いでいます。その筋肉の先天的な隙間や、加齢による筋肉の脆弱部位から、腹膜と一緒におなかの脂肪や腸が体外に飛び出し腫大することをヘルニアと呼びます。
手術の方法は、ヘルニア嚢を確認し、精索（女性の場合は子宮円索）より剥離します。ヘルニア嚢を結紮・切離、もしくはそのままヘルニア門より腹腔内に還納し、ヘルニア門にメッシュプラグを挿入し固定します。メッシュシートにて後壁補強を行います。

『腹腔鏡下胆嚢摘出術』
胆嚢結石症、胆嚢腺筋症、胆嚢ポリープ、胆嚢炎などに施行します。胆嚢とは胆嚢は肝臓の下に位置する臓器です。肝臓で作られた胆汁を蓄積、濃縮する働きがあります。胆汁は特に脂肪分の消化に関与し、胆嚢は食物が十二指腸に入ると収縮して、胆汁の流れ道（総胆管）を通して十二指腸へ流出し食物の消化を助けます。

『乳腺悪性腫瘍手術（乳房部分切除術（腋窩部郭清を伴わない））』
乳房温存術とは乳房内の腫瘍とその周囲を切除し、正常な部分はできるだけ温存する手術です。この方法は近年標準的な乳がんの術式となっており、当科においても約6～7割の方が受けられています。乳房を温存しても乳房を全摘しても生存率に変わりがありません。但し、乳房内にがんが残ると乳房内にがんが再発する危険性が高くなるため、病変部を的確に摘出することが大事です。術前にがんの拡がりについて調べて、がんを取りきれるような範囲を想定します。その範囲がもともとの乳房の体積の1/4～1/3を超えてしまう場合は術後の乳房の変形が強くなるため、温存はお勧めしておりません。手術中にもがんが取りきれているかどうかを術中迅速病理診断で大まかに確認し、最終的には切除した標本を病理組織検査で確認します。その結果によっては、再手術(乳房全摘や追加切除)をお勧めすることもあります。
また、放射線を温存乳房に照射することにより、乳房内再発を抑えられることも判っており、当科では乳房温存術後には放射線治療の併用をお勧めしています。

『乳腺悪性腫瘍手術（乳房切除術（腋窩部郭清を伴わないもの）』
乳房切除術は乳頭乳輪を含めた全ての乳腺組織を全摘する手術術式です。これに対して乳房部分切除術がありますが、部分的な切除では腫瘍を切除した後の乳房の変形が著明となる場合に乳房切除術を行います。乳腺の背側には筋肉（大胸筋、小胸筋）がありますが、基本的に胸筋は残します。胸筋への浸潤がある場合は浸潤部のみを切除します。現在当科において約30％の方にこの術式を実施しています。

『血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）（選択的動脈化学塞栓術）』
肝臓癌に対して、実施します。動脈までカテーテルを進めそこで抗癌剤などを入れ、動脈の血流を遮断し、腫瘍細胞を壊死させる方法です。

『ステントグラフト内挿術（腹部大動脈）』
非破裂性の大動脈瘤に対し、ステントグラフトと呼ばれる人工血管を留置し破裂を防ぐ。高齢者や併存疾患が多く、長時間の全身麻酔が困難な症例が適応となります。

『四肢の血管拡張術・血栓除去術』
主に下肢閉塞動脈症に対し、ガイドワイヤー、ガイディングカテーテルを用いて狭窄または閉塞部を貫通し、バルーンカテーテルで拡張します。

『冠動脈、大動脈バイパス移植術（２吻合以上）』
狭心症、心筋梗塞に対し、人工心肺装着、心停止による動脈硬化片の塞栓、人工心肺による非生理的な灌流異常などの手術危険度や合併症を軽減するために、人工心肺を使用せず、心拍動の状態で行います。

『大動脈瘤切除術（弓部）』
必要な範囲を人工血管で置き換える手術を行います。手術の目的は、臓器の合併症（脳梗塞など）を予防し改善させること、および破裂の予防です。

『弁置換術（１弁）』
大動脈弁全体を切り取って人工弁をとりつけます。人工弁には機械弁と生体弁の2種類あります。
機械弁：構造的な耐久性に関して長期にわたって信頼性が高いことが実証されています。
生体弁：ウシやブタなどの動物の組織で作ったものです。生体弁は血栓がつきにくいのでワーファリンは手術後1-3ヶ月位で中止できます（ただし心房細動がある場合はワーファリンの内服を続けることがあります）し、人間の弁の形に似ていて血液の流れが生理的である、音がしないなどたくさんの利点があります。

『胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術』
原発性肺癌では、胸腔鏡下に2か所の1～2cmの傷と約4cmの小切開で肺葉切除を行います。

『胸腔鏡下肺切除術（肺嚢胞手術（楔状部分切除））』
自然気胸等に対し、胸腔鏡下にて手術します。

『胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術』
前縦隔腫瘍等に対し、胸腔鏡下にて手術します。

※患者数10未満の手術についは『‐』で表示しています。

『口唇裂形成手術（片側）（鼻腔底形成を伴う）』
全身麻酔下に、左右に裂になっている口唇を切開し、粘膜、筋層、皮膚をそれぞれ生理的かつ解剖学的に正常な形態に再建し、出来る限り整容的な配慮をして縫合します。この手術は単に見ための形態を整えることだけではなく、口輪筋機能を再建することで哺乳、摂食、構音の機能を獲得させる利点があります。

『ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術（乳房切除後）』
全身麻酔下に、前回挿入した組織拡張器を抜去し、インプラントを挿入して、乳房再建を行う準備をします。この手術は乳房を再建することが主目的です。

『眼瞼下垂症手術（眼瞼挙筋前転法）』
局所麻酔と点眼麻酔下に余っている皮膚を切除し、弛んだ眼瞼挙筋を縫縮して開瞼しやすい状態にします。単に見ための形態を整えることだけではなく、開瞼機能を回復させる利点があります。

『眼窩骨折観血的手術（眼窩ブローアウト骨折手術を含む）』
眼窩底、眼窩内壁骨折観血的整復術とは全身麻酔下に睫毛下、内眼角部を切開し、骨折によって上顎洞に入り込んだ眼窩内容(外眼筋)をもとに戻します。

『頭蓋内腫瘍摘出術（その他）』
主に脳腫瘍、神経膠腫、髄膜腫に対して開頭にて腫瘍を摘出します。

『慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術』
放置すると硬膜下血腫のため脳ヘルニアが起こり、死に至る可能性があるので、硬膜の下に貯留した血腫を除去します。脳への圧迫がとれるので、麻痺が改善したり意識が良くなることも十分に期待できます。手術後の経過は通常非常に良好です。

『脳動脈瘤頸部クリッピング（１箇所）』
脳動脈瘤は100人に1人くらいの人が持っていると言われています。しかし症状が出ることはほとんどありません。症状は脳動脈瘤が破裂することによって起こります。破裂するとくも膜下出血を起こします。くも膜下出血の死亡率は、正確なところは分かっていませんが、初回の発作で約50％と言われています。残りの半数が病院に運ばれて治療されていると思われますが、この中で予後が良かった（社会復帰した）患者数は半分以下です。このようなくも膜下出血を未然に防ぐことがこの手術の目的です。手術は全身麻酔で行います。頭蓋骨の一部を開け（開頭術）、硬膜を切開し、くも膜を剥離しながら脳に傷を付けないで脳動脈瘤に到達します。この操作は手術用顕微鏡を用いて行います。手術時間は2時間から5時間です。脳動脈瘤の首根っこを金属のクリップ（現在は手術後にもMRIやMRAが行えるように純チタン製のものを用いている）でふさぎ、瘤の中に血流が入り込まないようにします。

『脳血管内手術（１箇所）』
手術中にほんのわずかでも予期しない頭の動きがあると非常に危険なので、手術は全身麻酔で行います。太ももの付け根にある太い動脈（大腿動脈）から特殊な細い管（血管内治療用カテーテル）を動脈の中に入れ、レントゲンで透視をしながらカテーテルの先を脳血管に到達させた後、動脈瘤の中に白金製コイルを充填させます。これにより動脈瘤内への血流が遮断され破裂を予防出来ます。治療に要する時間は3時間程度が目安です。

『経皮的頸動脈ステント留置術』
上腕動脈または大腿部からカテーテルを挿入して狭窄部に到達します。狭窄部の脳側にはステント拡張した時に血栓が脳に飛んでいかないようにする傘状のものや風船状のプロテクティブデバイスという器材で血栓を捕獲します。狭窄部でをバルーンで拡張させ、ステント留置し狭窄を解除します。

『人工関節置換術（肩，股，膝）』
進行期または末期の変形性股関節症、関節リウマチ、大腿骨頭壊死症などに対して行われる手術方法で、その第一の目的は股関節部の痛みを取り除くことです。手術によって股関節の動きや歩行状態も改善しますが、これらは術前からある筋力低下や股関節周囲の筋肉の硬さなどの程度により影響を受けますので、術後の結果が必ずしも正常な股関節と全く同様というわけにはいかないこともあります。特に屈曲に関しては約100度が上限であり、和式トイレなどは困難です。
股関節手術のための皮膚切開は種々ありますので、その選択は病状により異なります。変形した股関節の骨と軟骨を除去し、傷んだ骨盤の屋根となる部分を丸く削って金属性のインプラントと呼ばれるものに置き換えます。その際、骨とインプラントの間に骨セメントという充填剤を使用する場合があります。これは概ね65歳以上の高齢者で、骨粗鬆症の影響により骨質が低下して固定強度が不十分と考えられるケースに用います。人工関節の動く球の部分を摺動面といいますが、そこには金属メタル（コバルトクロム合金）やセラミックのボールにポリエチレンや金属メタル、セラミックのライナー（人工軟骨）の組み合わせが用いられます。人工関節の長期使用によってこの摺動面に摩耗を生じますが、その程度はさまざまで各材質によってメリットとデメリットがあります。また、骨盤側の屋根に相当する部分の骨のかぶりが少ない場合、骨移植といって自分の骨や保存されている骨を用いて補うことがあります。

『骨折観血的手術（肩甲骨，上腕，大腿）』
骨折に対し、非観血的（出血する手術等を行わない保存療法）では治らない場合に実施します。

『脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術』
神経を圧迫している変形した背骨と靭帯を削って神経の圧迫を取り除く手術です。

『四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術（肩，上腕，前腕，大腿，下腿，躯幹）』
四肢・躯幹に発生した軟部腫瘍を切除し、病理組織診断を実施します。

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『皮膚悪性腫瘍切除術（単純切除）』
基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫といった、皮膚悪性腫瘍に対して、実施します。

『皮膚、皮下腫瘍摘出術』
皮膚、皮下に発生した腫瘍に対し、実施している。摘出した腫瘍は病理検査を行い、良性か悪性の診断を行います。

※患者数が10未満の手術については『-』で表示しています。

『膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（その他のもの）』
膀胱腫瘍に対する内視鏡手術（経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-Bt)）とは膀胱内に腫瘍が存在する場合、腫瘍の性質(良性か悪性か、並びに悪性の場合、腫瘍の深さを判断する)を判断し、治療を兼ねて行う内視鏡手術です。

『腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いる）』
ダヴィンチ（内視鏡手術用支援機器）を使用した限局性前立腺に対する手術です。前立腺と精嚢腺の摘除、尿道と膀胱を吻合するもので、早期の前立腺癌に対する有効性が確立された治療方法の１つです。開腹手術（恥骨後式前立腺全摘除術）に比して、傷が小さく痛みが軽度で、手術後の回復が早く手術中の出血量が少ないなどの利点があります。癌の治療実績は従来の手術とほぼ同等です。多くの方が手術翌日に食事や流動物をとることができます。また、手術翌々日に立ち上がることができます。入院期間は術後７～１０日間が通常です。

『経尿道的尿管ステント留置術』
尿管狭窄、水腎症に対し、実施している。ステントとは尿路確保を目的にするカテーテルである。

『腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術』
腎臓、尿管にできた腫瘍に対して腹腔鏡下にて摘出します。

『経尿道的尿路結石除去術（レーザー）』
経尿道的内視鏡（外尿道口から膀胱を介して尿管に至る）を用いて尿管内や腎臓に存在する結石を破砕し、摘出する手術です。

『帝王切開術』
母児双方にとって、より安全に妊娠を終了または児を娩出させるために行います。具体的には、経腟分娩が不可能な場合や、経腟分娩より帝王切開の方が安全であると判断される場合に行います。適応疾患は胎児機能不全、児頭下降不全や回旋異常などによる分娩停止、骨盤位などの胎位異常、胎児発育遅延、多胎妊娠、前回帝王切開分娩、筋腫核出術後分娩、子宮内感染（絨毛膜羊膜炎）、妊娠高血圧症候群、前置・低置胎盤、常位胎盤早期剥離。

『子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡）』
腹腔内の手術が必要な患者さんに対し、最小限の侵襲で手術を行うこと。開腹手術に比べて創が小さく、入院期間が短いのが特徴です。適応疾患は子宮筋腫、卵巣腫瘍（良性）、不妊症、子宮内膜症、子宮外妊娠 卵巣腫瘍摘出術(右・左)、付属器（卵巣・卵管）切除術(右・左)。

『子宮全摘術』
子宮を摘出する子宮全摘出術と、腫瘍のみをくり抜く子宮筋腫（腫瘍）核出術とがあります。いずれを選択するかは御年齢や症状などから主治医とよくご相談ください。今後、妊娠される予定がない場合、症状の改善のためには子宮の摘出が必要な場合などは、子宮全摘出術を行います。

『硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む）』
網膜剥離とは網膜（眼の内側にある光を感じる神経のフィルム）が剥がれる事で、視機能の低下を引き起こす病気です。放置すると完全な失明となります。
手術にて、硝子体を切除しレーザーや冷凍凝固を使用し網膜を復位します。術中復位を確実にするため眼内に特殊なガスやオイルを入れます。

『水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）（その他のもの）』
白内障は水晶体（レンズ）が濁る病気であり、濁りによって見え方が悪くなる病気です。

『増殖性硝子体網膜症手術』
糖尿病により網膜に新生血管が発生しその血管が破綻し出血を繰り返しています。その結果網膜に増殖膜が生じ視力低下をきたしています。放置すれば網膜剥離を起こし高率に失明します。手術により硝子体および増殖膜を切除し出血巣を治療します。

『口蓋扁桃手術（摘出）』
両側の口蓋扁桃を剥離して摘出します。手術は全身麻酔（局所麻酔）で行われます。開口器によって口を開けた状態にして、操作は口から行います。

『内視鏡下鼻・副鼻腔手術３型（選択的（複数洞）副鼻腔手術）』
副鼻腔炎を軽減し、症状を改善させます。全身麻酔（局所麻酔）下に鼻内あるいは鼻外及び歯齦部より副鼻腔を開放する。術後は必要に応じ鼻内にガーゼを留置し圧迫止血を行う。

『喉頭・声帯ポリープ切除術（直接喉頭鏡又はファイバースコープによるもの）』
音声の改善・腫瘍の摘出・確定診断のため。全身麻酔下に喉頭直達鏡を挿入し病変を切除・摘出する。

『耳下腺腫瘍摘出術（耳下腺浅葉摘出術）』
耳下腺腫瘍の治療のため。全身麻酔下に皮膚切開を行い、耳下腺を露出して顔面神経を確認し腫瘍を摘出する。

※患者数が10未満のため『-』で表示しています。

『人工骨頭挿入術（肩，股）』
高齢者の大腿骨頚部骨折に対して実施している症例が多いです。

※患者数が10未満の手術は『-」で表示しています。