ヒトの突発性心筋症に酷似している各種疾患モデル動物の中でＵＭ−Ｘ７.１ハムスターは、若齢より心筋及び横隔膜、舌にＣａ沈着が存在することが知られている。本ハムスターは、１９８６年導入され、以後本学疾患モデル教育研究センター内にて系統維持、拡大繁殖させ、心筋症モデル動物として各種実験に使用してきた。

心筋症ハムスターＵＭ−Ｘ７．１	ＵＭ-Ｘ７.１の心臓の組織写真（Ｈ.Ｅ染色）
ＵＭ−Ｘ７．１は外見は白い被毛に覆われ、耳は黒く目はワイン色である。体重は近交系のＧＮハムスターに比較して約２/３程度の小柄であるが、Ｃａ沈着と心肥大が観察される。	ＨＥ染色では、Ｃａ沈着が黒い斑点の塊（矢印）として随所に見られる。

またＵＭ−Ｘ７．１はＣａ代謝異常が認められ、経年とともに骨密度の低下が顕著で、ヒトの骨形成異常である骨粗鬆症などのモデルになりうるかを検討している。

ＵＭ-Ｘ７.１とＧＮの大腿骨のレントゲン写真。ＡがＵＭ−Ｘ７.１でＢがＧＮ黒い部分が多いほど骨がスカスカ状態であることを示す。ＵＭ−Ｘ７.１の方がＧＮに比して黒っぽく写っているのが確認できる
	ＵＭ-Ｘ７.１とＧＮのレントゲン写真

ＵＭ−Ｘ７．１は本センターで維持されてすでに６０代を数えるが、心筋症のみならずＣａ代謝異常、骨形成不全など用途の拡大を図って有意義な研究を進めていきたい。