(資料:Kickoff paper→ここをクリックしてください。
、Clarke's memorandum→ここをクリックしてください。)
このホームページのコーナーは、途中からメール会議に参加した方で、登録する以前に交わされた議論を参照されたい方のために開設されたものです。メール会議の内容は、逐次このコーナーに転載されます。また、タスクフォースの参加者が共通に参照するための資料も、必要に応じて掲載する予定です。
タスクフォースへの参加をご希望の方は、三菱総合研究所・佐藤理(sato@mri.co.jp)宛に、下記の4行のみをメールでお送り下さい。
ICRPの2005年勧告対応タスクフォース参加希望
氏名 :凸山凹吉
所属 :××研究所△△部
メイル:xxxx@yyyy.zzzz.ac.jp
・ ご意見はss-taskforce@mri.co.jp宛にE-mailでお送り下さい。送られたご意見は、自動的にメイリングリストの参加者全員に配信されます。
・ 他の方の意見に対して、そのまま「返信」(reply)されると、メイリングリストの参加者全員に返信されます。
・ メイリングリスト参加者には、発足時の参加者名簿をメールにて送付いたします。その後、参加者が増える度に、逐次メイリングリストにて通知します。
MAIL LOGは、投稿された順に羅列しています。
仕事の片手間におこなっているため掲載が遅れることがあります。
このホームページについてご意見等あれば、ssuzuki@fujita-hu.ac.jp
藤田保健衛生大学 鈴木昇一までご連絡下さい。
タスクフォース各位
せっかくタスクフォースを立ち上げながら、皆が客席に畏まってしまったのには頭を抱えております。
仕方がないので、袋叩きに遭うのを覚悟で、議論の叩き台を提出いたします。
できれば、蜜柑の皮を放り込むだけでなく、リング内に乱入されんことを・・・。
SPring-8/JASRI
多田順一郎
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線量拘束について
1990年勧告では、経済的あるいは社会的判断が本来起こしがちな"不公平"を、最適化の過程で制限するために拘束の概念を導入しました(paragraph
112-b, 121)。しかしながら、1990年勧告では、線量拘束と線量制限との関係をあまり明確に説明していませんでした。そして、1990年勧告の職業被曝や医療被曝の防護の最適化に関する議論では、規制当局が線量拘束を定めるという考え方を示していましたが、以降の勧告では、ICRP自身が多くの線量拘束値を勧告してきた、という混乱も見られます。
OECD/NEA-2002では、拘束の概念が"拘束の範囲"という概念に拡張され、その値を越えたときには対応措置を、それ以下では与えられた条件下で最適な防護を達成するよう工夫を要求する、という考えを提示されました。また、1990年の基本勧告を含め、ICRPが勧告してきた20余りの拘束値を3つに集約するという案が示された。しかし、当時の議論は、提案された3つの線量拘束値、就中"公衆に対する拘束値"3
mSv/aのfeasibilityに集中し、"概念の拡大"の是非に立ち入ったものは、ほとんど見られなかったように思われます。
2月のMemorandumでは、OECD/NEA-2002で示された拘束という概念の拡張が、"一つの放射線源に対する最適化の過程を制限するレベルを与える情況まで包含するよう拡張する"、とより詳しく説明され、介入レベル、アクション・レベル、クリアランス・レベル、規制免除レベル、および(放射線従事者と講習に対する)線量限度という用語を"拘束"
という用語で置き換えることが示されています(Memorandum paragraph 17)。そして、個人に対して線量拘束を適用することで、個々の線源に対する"放射線防護の基本水準"を達成することができるとし(Memorandum
paragraph 21, 22, 23)、その線量拘束値は、ICRPが勧告し国際的に受け入れられるとしています(Memorandum paragraph
23)。
併しながら、放射線防護の基本的(あるいは最小限の)要求といいながら、その数値を自然放射線への曝露量の世界平均を基に決めようとしている点は、聊か同意し難い考え方です。自然放射線への曝露は不可避的であり、こうした(世界平均に基づく)線量拘束値の決め方は、"放射線防護の基本的レベル"を越えて自然放射線に曝露する人々の存在を許容する(或いは切り捨てる)結果を生み出す可能性があるからです。制御可能であれば、自然放射線も放射線防護の対象とする姿勢をとりながら(Memorandum
paragraph 35, 37)、こうした"基本的レベル"の決め方をするのは合理的でなく、公平でもないと考えます。
自然放射線への曝露量に基づいた議論(それ自身は悪い考えではない)をするならば、あるべき姿は、その上限付近の値に基づいた"基本的レベル"の導入であろうと考えます。2月のMemorandumの議論を振り返ってみれば、個人を防護するために必要な放射線防護の最小限の要求を、それを越える曝露がもはや正当化されない値(100
mSv/a)に定めたとしても、何等不都合はないように思われます。ICRPが勧告すべきはそうした値であり、その勧告を受け入れた規制当局が、各国の事情に応じてこの値を上限とする"最適化"をし、それぞれ独自にAuthorised
Levelを決めればよいと考える次第です(Memorandum paragraph 23)。
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下記のメンバーをメイリングリストに追加いたしました。
4月21日に田邉様の追加の旨をお知らせしましたが、当方の入力ミスでアドレスが
間違っていました。田邉様にはご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。
氏名 : 田邉 裕
所属 : 日本原燃株式会社 安全技術室
メイル: hiroshi.tanabe@jnfl.co.jp
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(株)三菱総合研究所 安全科学研究本部
安全技術研究部
佐藤 理
〒100-8141 東京都千代田区大手町二丁目3-6
電話 03-3277-5487(平成15年1月から、こちらに御願いします)
FAX 03-3277-3480
ICRPの2005年勧告対応タスク・フォース メンバー各位
下記のメンバーをメイリングリストに追加いたしました。
氏名 :佐久間 厚志
所属 :北海道厚生連旭川厚生病院 放射線技術部門
メイル:a_koseirad@excite.co.jp
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(株)三菱総合研究所 安全科学研究本部
安全技術研究部
佐藤 理
〒100-8141 東京都千代田区大手町二丁目3-6
電話 03-3277-5487(平成15年1月から、こちらに御願いします)
FAX 03-3277-3480
すでにお送りしてあります2月末にクラークから送られてきたメモランダム(ほとんど同じ内容でJ. Radiat. Protect. の6月号に掲載予定)とタスクフォースのkickoff papeに加えて、議論の参考資料として、昨年10月にクラークが東京で講演したときの資料と、講演内容をテープ起こししたものをお送り致します。
事務局
ICRPの2005年勧告対応タスク・フォース メンバー各位
下記のメンバーをメイリングリストに追加いたしました。
氏名 :中田穣治
所属 :神奈川大学 理学部 情報科学科
メール:jyojin@info.kanagawa-u.ac.jp
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(株)三菱総合研究所 安全科学研究本部
安全技術研究部
佐藤 理
〒100-8141 東京都千代田区大手町二丁目3-6
電話 03-3277-5487(平成15年1月から、こちらに御願いします)
FAX 03-3277-3480
下記のメンバーをメイリングリストに追加いたしました。
氏名 :山口一郎
所属 :国立保健医療科学院生活環境部
メイル:drhyama@niph.go.jp
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(株)三菱総合研究所 安全科学研究本部
安全技術研究部
佐藤 理
〒100-8141 東京都千代田区大手町二丁目3-6
電話 03-3277-5487(平成15年1月から、こちらに御願いします)
FAX 03-3277-3480
小生は不勉強で、今頃気付きましたが、"Radiological Protection of the Environment"というSummary
ReportがOECD/NEAのHPにupされています。
http://www.nea.fr/html/pub/welcome.html
のRadiation Protectionのコーナーから、PDFファイルが取れます。
SPring-8/JASRI
孟渉
SPring-8/JASRI
孟渉
SS タスクフォース 参加者 各位
加藤会長より事務局を仰せつかった多田@SPring-8です。事務局のdutyとして、タスクフォースのKickoff Paperをお送りします。No sideのホイッスルが鳴るまで頑張りましょう(多分、いつまでもsideは解消しないでしょうが・・・)。医療放射線防護連絡協議会およびそのホームページ管理者の鈴木昇一先生のご好意により、近く、議論のバックナンバーを閲覧するためのコーナーを開設する予定です。
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Kickoff Paper for SS-Taskforce on ICRP 2005
タスクフォースのメール会議を開始するに当って、タスクフォースの事務局より、議論の叩き台(袋叩きに遭いそうですが)として、二月末にClarke委員長から届いたMemorandumに基づいて、幾つかの論点を提示しようと思います。事務局の力量不足のため未消化なままの内容ですが、白熱したメール会議の口火になることを願って居ります。なお、文中に挿入した【
】内の番号は、関係する内容が記載されているMemorandumのパラグラフ番号です。
1. 正当化について
行為の正当化はICRPのmatterではなく、ICRPは"すでに正当化された行為"に適用する放射線防護の体系を勧告する【19】という考え方は、すでに1990年勧告にも示されていたもの(paragraph
115)をより明確に打ち出したものと考えられます。それにも拘わらず、患者の放射線照射に関する正当化の議論【20, 48-53】を続けているのは、聊か首尾の一貫しない印象を覚えます。
2. 線量拘束について
線量拘束の概念を、現在の線量制限をも包含し【table 4】、最適化の過程に制限(bound)を与えるものに拡張するという【17】考えが示されています。そして、個々の放射線源毎に、最も放射線に曝される人に対し、基本的な(basic,
minimum)放射線防護の基準として線量拘束を適用する、という体系が提示されています【21, 22, 24-29】。1990年勧告では、線量拘束値はICRPではなく規制当局などが定めるもの(paragraph
145, 181など)という印象を受けましたが、Publication 60以降にICRPがさまざまな線量拘束値を勧告してきた経緯を受けて、概念の変更がなされたものと思われます。具体的な線量拘束値は提示されていませんが、1990年勧告で示された"不公平を制限する(paragraph
112)"という目的に沿った数値となるはずです。昨年提示された0.3 mSv/aという数値に関してはfeasibilityに基づく反対論が喧しかったのですが、ICRPに対しては、もっと原理的な部分で議論する必要があると感じています。
3. 線量拘束値の整理について
1990年勧告を含めて、10のPublicationで、6種類のロジックに基づいて、30の線量拘束値が勧告されている現状を、自然放射線レベルを基にした比較的少数の線量拘束値に整理する方針が示されています【11,
24-30】。放射線防護の体系を簡明にすることは歓迎すべきですが、そもそも、基本勧告の論理の枠組みをはみ出した補足的勧告をしなければ、現状のような混乱(?)は起きなかったようにも思われます。
4. 最適化について
個人に対する線量拘束値を適用した上で、さらに、最適化により防護の最適レベルを達成する、という枠組みが示されました【16, 17, 21, 31】。しかし、最適化は使用者や規制当局が状況に応じて行うものであり、最適化の結果としてauthorized
levelを定めるのは、ICRPの役割ではないとしています【23】。ICRPの勧告する基本的な放射線防護の基準としての線量拘束値が、文字通り放射線防護のminimum
requirementの値であり、それを上限として、それぞれの国の状況に応じてauthorized levelを決めるとすれば、法令基準の国際的整合性は放棄せざるを得なくなるかも知れません。基本的な放射線防護の基準としての線量拘束値を規制当局の用いるauthorized
levelから切り離そうとするICRPの意図は理解できるのですが、ICRPの勧告する線量限度がそのまま法令に規制値として取り入れられている現状を考えると、その実現性には疑問を覚えざるを得ません。
5. 除外について
放射線源それ自体もそれが曝露をもたらす経路も制御不可能な放射線源は、そもそも、放射線防護の体系から"除外"されるものであり、防護体系の対象であった線源を最適化の結果として管理の枠から外す"規制免除"や"クリアランス"と用語の上で区別することが提案されました【35-37】。しかし、制御がpracticalに可能か不可能かは、必ずしも客観的に判断できるものではありませんから、ある放射線源を除外するか否かを決める際に最適化の手続きが必要になる場合もありそうです。その点を考えると、用語の上の区別は、それほど簡単そうに思えません。
6. 自然放射線源について
室内空気中のラドンの吸入摂取【38, 39】や航空機乗務員の宇宙線への曝露【42】など、線源または曝露経路が制御可能であれば、自然放射線源にも放射線防護の体系を適用するという方針が示されています。また、40Kおよび238Uと232Thの娘核種に対する拘束値の勧告を検討していることが述べられています【40,
41】。しかし、これらの核種を"制御可能"と考えられるか否か(238Uと232Thの娘核種からの曝露を制御する方法として移住を論じているが、40Kに対する制御手段は示されていない)、聊か議論の余地がありそうに思われます。
7. 放射線防護に使われる線量について
中性子線と陽子線に関する放射線荷重係数と、各組織や器官の組織荷重係数の値とを変更することと【45】、等価線量の名称をweighted averaged
absorbed doseと変えて、線形の線量効果関係が成り立つ範囲に限定して使用する【44】方針が示されました。"線形の線量効果関係が成り立つ範囲"とは、下限が数mSv【table
4】、上限が100乃至500 mSv【27】を意味するようです。適用範囲に"下限"を示したことは、実質的なLNT仮説の放棄を意味するのでしょうか。また、確定的影響を論ずる際の線量には、RBEの値が2を越えることがないとして、平均吸収線量を用いることを提案しています。
8. 環境の放射線防護について
1990年勧告では、人類以外の生物種の放射線防護について、「委員会は、現在、人を望ましいと考えられる程度に防護するのに必要な環境管理の基準は、他の生物種をリスクに曝さないことを保証するであろうと信じる(paragraph
16)」と述べていましたが、次の基本勧告では、人類以外の種の放射線防護を明記し、その科学的根拠を提供する【54-59】と言う方針が示されました。"環境の防護"という言葉は、別のニュアンスを連想させますが、具体的には、"人類以外の生物種に対する放射線防護"という意味であるようです。導入の背景(グリーンピースの関与)は理解できるのですが、実行可能性については懐疑的にならざるを得ません。
各位殿
下記のメンバーによりまして、本日(4月22日)よりICRPの2005年勧告対応タスク
フォースのメイリングリストを正式にスタートします。
メイリングリストの投稿方法等を記しておきます。
・ご意見はss-taskforce@mri.co.jp宛にE-mailでお送り下さい。送られたご意見は、
自動的にメイリングリストの参加者全員に配信されます。
・他の方の意見に対して、そのまま「返信」(reply)されると、メイリングリストの参
加者全員に返信されます。
------記:メイリングリストメンバー(4月22日現在)----
(順不同、敬称略)
氏名 : 加藤和明
所属 : 茨城県立医療大学放射線技術科学科
メイル: katoh@ipu.ac.jp
氏名 : 金子正人
所属 :(財)放射線影響協会
メイル: mkaneko@rea.or.jp
氏名 : 多田順一郎
所属 : (財)高輝度光科学研究センター
メイル: tada@sp8sun.spring8.or.jp
氏名 : 中里一久
所属 : 慶應義塾大学 医学部・病院 放射線安全管理室
メイル: kazuhisa.nakazato@adst.keio.ac.jp
氏名 : 小田啓二
所属 : 神戸商船大学原子力システム工学講座
メイル: oda@cc.kshosen.ac.jp
氏名 : 中島 宏
所属 : 日本原子力研究所大強度陽子加速器施設開発センター
メイル: nakasima@shield4.tokai.jaeri.go.jp
氏名 : 岩井 敏
所属 : (株)三菱総合研究所
メイル: iwai@mri.co.jp
氏名 : 佐藤 理
所属 : (株)三菱総合研究所
メイル: sato@mri.co.jp
氏名 : 田ノ岡 宏
所属 : 電力中央研究所
メイル: tanooka@criepi.denken.or.jp
氏名 : 武田 伸荘
所属 : 核燃料サイクル開発機構 東海事業所
メール: s-takeda@tokai.jnc.go.jp
氏名 : 田邉 裕
所属 : 日本原燃株式会社 安全技術室
メイル: hiroshi.tanabe@jnfl.co.jp
氏名 : 鈴木 昇一
所属 : 藤田保健衛生大学衛生学部
メイル: ssuzuki@fujita-hu.ac.jp
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(株)三菱総合研究所 安全科学研究本部
安全技術研究部
佐藤 理
〒100-8141 東京都千代田区大手町二丁目3-6
電話 03-3277-5487(平成15年1月から、こちらに御願いします)
FAX 03-3277-3480
ICRPの2005年勧告対応タスク・フォース メンバー各位
下記のメンバーをメイリングリストに追加いたしました。
氏名 : 鈴木 昇一
所属 : 藤田保健衛生大学衛生学部
メイル: ssuzuki@fujita-hu.ac.jp
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(株)三菱総合研究所 安全科学研究本部
安全技術研究部
佐藤 理
〒100-8141 東京都千代田区大手町二丁目3-6
電話 03-3277-5487(平成15年1月から、こちらに御願いします)
FAX 03-3277-3480
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